2002年5月5日(日)13:40
フランクフルト・アム・マイン(AP)
ドイツのヨハネス・ラウ大統領はポーランドの速やかなEU加盟を支持した。フランクフルトの聖パウロ教会の演説で大統領は日曜日、加盟交渉は今年末までに完了するだろうとの希望を表明した。そうなれば東の隣国ポーランドは2004年の欧州議会選挙前にEUの完全なメンバーになる、と述べた。大統領の演説は、フランクフルトにお ける両国のドイツ・ポーランド協会の共同会議で数百人の出席者を前に行われた。
大統領は、ポーランドのEU加盟がドイツではあらゆる党派の壁を越えて支持されていることに言及した。「私たちはポーランドが欧州連合加盟の第一陣に入ることを望んでいる。それゆえ私たちはまた、ポーランドがこの目標を達成すべく努力を怠らないように希望している」。ドイツとポーランドが近々EU内で共同で欧州の家の建設 にあたるならば、歴史を通じてしばしば損なわれた両国の隣人関係にまったく新しい展望が開ける、とラウ大統領は強調した。
「10年前私たちには夢のように思われたことの多くが、今日ほとんど自明のものになっている」と大統領はドイツ・ポーランド関係の成果を讃えた。さらに大統領は、両国はともにNATOと欧州会議のパートナーとなっている。1990年以来約75万人のドイツとポーランドの若者が共同の青少年交流事業に参加した、と語り、「私は、財政 が逼迫した時代にあってもこうしたプログラムのための資金が増額されていることを嬉しく思う」と付け加えた。
また大統領は、ドイツが今日ポーランドの最大の通商相手国となり、70億ユーロ以上の投資額のドイツ企業がポーランドの最重要投資家に数えられていることを指摘した。さらに両国間には緊密な共同文化事業や、国境を越えて550の大学間協力協定が存在する。「ポーランド人とドイツ人は今日、統合の進む欧州において良き隣人 として平和と自由のうちに暮しているのである」。しかし依然として橋を架け溝を埋めるべき箇所も数多く残っている、とラウ大統領は続け、ドイツ・ポーランド協会の仕事を賞賛した。
ドイツ側の同協会の会長を務める、社会民主党(SPD)所属のアンゲーリカ・シュヴァル=デューレン連邦議会議員は、EU拡大を国家間の対立の時代を永続的に克服するチャンスと評した。しかしその際、自由貿易と労働者の自由な移動は同じメダルの両面を成している、と指摘した。ポーランドのドイツ・ポーランド協会のズビグニ ェフ・レラチュク会長は、この問題が現在また感情的に選挙戦でとりあげられていると批判した。「ドイツとポーランド − 協力と安全」というモットーのもとに3日間にわたって開かれた会議には、両国のドイツ・ポーランド協会の約300名の代表が出席した。
原題:Rau dringt auf baldige Aufnahme Polens in die EU