2002年5月18日(土)17:23
ニュルンベルク/プラハ(ドイツ通信社)
ドイツのオットー・シリー内相(社会民主党)はチェコ共和国に対して、ズデーテンドイツ人の放逐を定めた論議のあるベネシュ布告を撤廃するよう求めた。この措置により事態が明確になる、とシリー内相は土曜日、ニュルンベルクにおける第53回のズデーテンドイツ人大会で述べた。
内相は放逐者に対し、ドイツ・チェコ関係と欧州統合を過去の要求で妨げぬよう警告した。「数百万人の放逐の苦しみの記憶が未来に向かう共通の道を塞ぐことがあってはならない」とシリー内相は主張した。
チェコのヴラディミール・シュピドラ副首相は、土曜日、特定のドイツ人放逐者に対する象徴的な補償を支持する旨を表明した。ドイツ連邦議会の学術サービスの所見では、ベネシュ布告はチェコのEU加盟の障害にはならないという。
シリー内相はしばしば野次やブーイングで中断された演説の中で、どのような犯罪が先に行われていようとも、国家が公認した放逐は不正である、と述べた。内相は「過去に由来する問題」のすべてが必ずしも放逐者の視点からは満足の行く解決を見なかったことを認めた。内相は、しかし欧州統合の利益は放逐者にとっても明らかである。「私は皆様に統合を支持してくださるようお願いする」、と訴えた。
ズデーテンドイツ郷土会のベルント・ポッセルト議長は、伝統的なこの大会をチェコ政府に対する厳しい批判の言葉で開幕した。同議長は、この一日前にズデーテンドイツ人の放逐を「平和の源の一つ」と称したシュピドラ副首相の発言を「柔軟性を失い硬直化した思考」と評し、「このような反動的イデオロギーは欧州連合に持ち込んではならない」と主張した。
この間にシュピドラ副首相は特定のドイツ人放逐者に対する象徴的な補償を支持する旨を表明した。1997年に設立されたドイツ・チェコ未来基金はこのような「人道的象徴行為」について議論すべきである、とチェコの社会民主党党首を務めるシュピドラはプラハで語った。補償を受ける可能性のある人として、シュピドラは不当にチェコスロヴァキアから放逐されたドイツ人の反ファシスト主義者を挙げた。これに該当するのは「多くとも100人ほどであろう」と副首相は語った。
『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙によれば、ドイツ連邦議会の学術サービスの所見では、ベネシュ布告はチェコのEU加盟の障害にはならないという。連邦議会の欧州委員会のフリートベルト・プフリューガー委員長(キリスト教民主同盟)は同紙に対して、この所見は「議会の協議の重要な根拠になる」と述べた。自ら述べるところによれば、「チェコ側がこの問題をEUのアジェンダに載せてから」プフリューガー委員長がこの鑑定を依頼したという。
最大で80000人の参加者が予想されるズデーテンドイツ人大会は、精霊降臨祭の日曜日にバイエルン州首相でキリスト教民主同盟・社会同盟の首相候補者エドムント・シュトイバー(キリスト教社会同盟)が主賓として演説を行う予定である。
原題:Schily: Tschechien soll Benes-Dekrete zuruecknehmen