2002年5月19日(日)21:04
ニュルンベルク/テレージエンシュタット(AP)
バイエルン州首相でキリスト教民主同盟・社会同盟の首相候補者エドムント・シュトイバーは、これまで以上に明確な言葉で、ベネシュ布告の撤廃をチェコのEU加盟の条件とするよう主張した。日曜日、ニュルンベルクにおける第53回ズデーテンドイツ人大会の席で、シュトイバー州首相は10000人の聴衆を前に、「2002年の欧州において、57年以上前に遡る放逐と公民権剥奪を弁護する者は、あらゆるヨーロッパ人から欧州に加盟する資格を問われることになる」と述べた。
一方、チェコのミロシュ・ゼマン首相はこの直後、論議を巻き起こしているベネシュ布告をあらためて弁護した。かつてのテレージエンシュタット強制収容所のホロコースト犠牲者を追悼する記念式典で、同首相は、放逐は当事者の損にはならず役に立った。「彼らは帝国への帰還を望んでいた。だから出て行ったのだ」、と発言した。ベネシュ布告により、第二次大戦後300万人のズデーテンドイツ人が当時のチェコスロヴァキアから追放処分を受けた。
ニュルンベルクにおいてシュトイバー州首相は、放逐者の問題を「ドイツ史の博物館に」しまい込もうとする社民党と緑の党の連立政権を厳しく非難した。同州首相は、土曜日に同じズデーテンドイツ人大会の席で「過去の不正は過去のものである」と述べたオットー・シリー内相を強い調子で批判した。シュトイバーは、キリスト教民主同盟・社会同盟が連邦議会選挙で勝利した場合は、過去に由来する問題を放置することはしないと約束した。「ズデーテンドイツ人は、放逐の不正が不正と認められ、遺憾表明が行われ、不正が癒されるよう望んでいる。」州首相は、放逐されたズデーテンドイツ人のためにチェコの資金で和解基金を設けるという案を支持した。
伝統的に精霊降臨祭の週に開かれるこの大会では、開始時にチェコのヴラディミール・シュピドラ副首相のインタビューが伝えられ、センセーションを巻き起こした。同副首相はインタビューの中で、第二次大戦後の300万人の放逐を「将来の平和の源泉のひとつ」になったと述べた。シュトイバーはこの発言を厳しく退け、チェコ共和国の政治エリート層の大部分は古い民族主義的な思考方法から抜け出すことができないと批判し、「21世紀の始めにズデーテンドイツ人の放逐をモデルケースとして薦める者は、明らかにヨーロッパの家の居住規則に違反する」と述べた。
一方、キリスト教社会同盟(CSU)所属の欧州議員でズデーテンドイツ郷土会の議長を務めるベルント・ポッセルトは、シリー内相が「チェコ副首相の恐ろしい発言にただちに反応する」ことができなかったので驚愕したと述べながらも、同内相が明確にベネシュ布告の撤廃を求めたことに対し、社会民主党所属の内相に感謝の意を表明した。シリー内相は放逐者に対して物質的な要求を放棄するよう求め、賠償問題をチェコのEU加盟の条件とすべきとの要求を退けたため、演説はたびたびブーイングや口笛で中断した。
原題:Stoiber verknuepft Benesch-Dekrete mit Prager EU-Beitritt
Zweite Zusammenfassung