2002年5月27日(月)16:10
ブリュッセル(ロイター)
欧州委員会は、アイルランドの有権者がニース条約を再度否決した場合、EU拡大が明らかな遅れをきたす可能性があると想定している。同委員会の広報官は月曜日、しかし委員会は今年中に予定される二回目の国民投票でアイルランド国民が承認すると予想している、と語った。だが、再度アイルランドが否決した場合の計画の存在については否定しなかった。
アイルランドは昨年54%の反対票でニース条約を否決した。同条約は欧州連合(EU)の諸機構を拡大後のEUの条件に適合させる内容である。アイルランドは、国民投票で同条約の批准を決定する唯一のEU加盟国である。いまだ批准していないのはアイルランド以外にはベルギーとギリシャのみである。2002年末までに同条約はすべてのEU加盟国で批准される予定である。
先週ブリュッセルでは、たとえアイルランドが否決した場合でも2004年の予定されているEU東方拡大をいかに実現するかという計画に関する情報が漏れた。それによると、ニース合意の中核となる規定を加盟候補国との拡大条約に盛り込むという案が出されているという。
これに関して欧州委員会の広報官は、代案となる法的対応について憶測する時ではない。しかしあることが実現しなかった場合何が起きるか、どこかで検討している者がいないと断言することはできない。法律家が仮定の問題について様々な解答を考えている可能性はある。重要なのはニース条約を批准するという政治的意思である、と語った。
EUは12月までに10の加盟候補国との間で加盟交渉を完了させる意向である。すなわち、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロヴァキア、スロヴェニア、ラトヴィア、エストニア、リトアニア、キプロス、マルタである。ブルガリアとルーマニアはそれ以降の加盟となる予定である。
原題:Iren koennten EU-Erweiterung verzoegern - Notfallplan moeglich