2002年5月31日(金)15:12

ハヴェル大統領:「放逐は決して良いことではなかった」

ベルリン(AP)

チェコのヴァーツラフ・ハヴェル大統領はズデーテンドイツ人の追放をめぐる問題で、ミロシュ・ゼマン首相およびヴラディミール・シュピドラ副首相とは異なる態度を表明した。ハヴェル大統領は金曜日、ARD(ドイツ第一放送)の番組『ベルリン報告』のインタビューで、私は戦後のズデーテンドイツ人の送還(Abschiebung)を過去に称えたこともなければ、現在も称えることはない。「それは決して良いことではなかった。しかしそれはあの時代特有の出来事であった。苦い現代史の一部だったのだ」、と語った。

最近ゼマン首相は放逐に関して「彼らは帝国への帰還を望んでいた。だから出て行ったのだ」と発言した。シュピドラ副首相は放逐を「平和の源」と称した。このような一連の発言はドイツとチェコの関係に暗い影を投げかけていた。

私はゼマン首相とシュピドラ副首相の発言に不安を覚える、とハヴェル大統領は述べた。「私は深刻に受けとめている。このような発言は到底喜べるものではない。」あわせて大統領は、チェコの政治家によるこのような「過激な言葉の競争」は、6月中旬の議会選挙後に終止符が打たれるとの観測を表明した。

原題:Havel: Vertreibung war keine gute Sache




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