2004年5月2日(日)15:45
フランクフルト・アム・マイン(AP)
ヨーロッパは歴史上初めて大西洋からヴィスワ河まで平和的に統一された。欧州連合は5月1日、歴史的な祝典を行って新規10ヶ国の加盟を完了させた。このうち、ポーランド、スロヴァキア、スロヴェニア、チェコ、ハンガリー、バルト三国はかつての共産主義諸国である。数十万人の人々が25ヶ国へのEU拡大を盛大な祝典で祝った。
議長国アイルランドのメアリー・マッカリース大統領の大統領府で行われた式典では、ダブリンの首脳会議場に初めて加盟全25ヶ国の旗が掲揚され、ベートーヴェンの「歓喜に寄す」が演奏された。「今日私たちは過去を葬り、未来を待ち受ける」とマッカリース大統領は述べた。EU議長国を務めるアイルランドのバーティー・アハーン首相は、「私たちは独裁と抑圧を、活力あふれる安定した民主主義体制に創り変えたのだ」と語った。
ポーランドのアレクサンデル・クファシニェフスキ大統領は、わが国にとって「大きな一日」と評してEU拡大を賞賛した。「ついに私たちは夢を実現させたのだ」と大統領は述べた。イギリスのトニー・ブレア首相も「ヨーロッパにとって大きな一日」と述べた。欧州委員会のロマーノ・プローディ委員長は、鉄のカーテンによるヨーロッパ大陸の人工的分断はEU拡大により最終的に幕を閉じると強調した。
加盟全25ヶ国の首脳は合同の晩餐会で初めて対等の立場でひとつの食卓を囲んだ。厳しい警備態勢が敷かれる中、残りの加盟候補国ブルガリア、ルーマニア、トルコの首脳も式典に参加した。
プラハ、ワルシャワ、ブダペスト、ブラティスラヴァ、ヴィリニュス、リガ、タリンでは、無数の人々が街頭に出て、お祭りや花火でEU拡大を熱狂的に祝った。しかし1974年以来分断されたキプロスでは、住民投票での再統合否決を受け、南のギリシャ系キプロスしかEU加盟を果たせず、祝典に暗い影を落とした。
ドイツは東の国境で首脳同士の集いや陽気なお祭りを行い、拡大EUの幕を開けた。ゲルハルト・シュレーダー首相は、ポーランドのレシェク・ミレル首相およびチェコのヴラディミール・シュピドラ首相とツィッタウ近郊のナイセ河にかかる橋の上に集い、新規10ヶ国の加盟を「ヨーロッパにとって僥倖」と評した。フランクフルト(アン・デア・オーダー)とスウビツェの間のオーデル河橋では、ヨシュカ・フィッシャー外相とポーランドの外相が午前零時に象徴的に握手を交わし、抱擁し合った。
ポーランド、ハンガリー、チェコ、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、スロヴァキア、スロヴェニア、マルタ、キプロスの加盟により、EUの人口は3億7000万人から4億5500万人に増大した。消息筋は欧州憲法の合意に向けた努力が夏に成功裡に完了すると予測している。
原題:Europa feierlich vereint Ueberblick