2004年5月28日(金)20:29

ズデーテンドイツ郷土会はチェコに融和のシグナルを送る

ニュルンベルク(AP)

ズデーテンドイツ郷土会は、恒例の聖霊降臨祭の郷土大会の開幕にあたり、チェコに向けて融和的なシグナルを送った。この大会はチェコとズデーテンドイツ人の信頼形成に寄与するものである、とズデーテンドイツ郷土会のベルント・ポッセルト議長は金曜日、ニュルンベルクで語った。社会民主党所属のペーター・グロッツ議員にはズデーテンドイツ文化大功労賞が贈られた。

「今や欧州議会にドイツの議員と並んでチェコの議員が席を占めていることの意義は、どんなに強調しても強調しすぎることはない」。しかしこの状況はズデーテンドイツ人にとっては、いわゆるベネシュ布告の撤廃を求める新たな可能性が生まれたことをも意味する。第二次大戦後のドイツ人のズデーテン放逐を合法と宣言した、チェコスロヴァキア大統領エドヴァルト・ベネシュによるベネシュ布告は、わずか2年前にチェコ議会によって事実上確認されたばかりである、とキリスト教社会同盟の欧州議会議員を務めるポッセルト議長は語った。

チェコの欧州議会議員はこれに関して「釈明と回答が必要」である。「放逐布告」がチェコのEU加盟前に撤廃されなかったのは誤りであった。ベネシュ布告は欧州の「統合プロセスの障害」となる、とポッセルト議長は主張した。ズデーテンドイツ郷土会のヨーハン・ベーム広報官は、チェコが融和の意思表示やサインを約束しながら、これまでほとんど怠ってきたことに失望の意を表明した。

「人権の尊重、放逐の廃止」という第55回ズデーテンドイツ大会のスローガンを踏まえて、「私にも故郷の権利があることは、人権の認めるところである」とベーム広報官は述べた。ポッセルト議長によれば、大会の中心テーマは世界的な放逐の問題であるという。「ズデーテンドイツ問題はこの世界的な人権問題の一部である」と議長は語った。

ポッセルト議長はズデーテンドイツ文化大功労賞のグロッツ議員への授賞に関して、この賞はズデーテンドイツ人とチェコ人との信頼関係強化に寄与するものである、と述べた。グロッツ議員は故郷放逐廃止センターZentrum gegen Vertreibung設立の主唱者の一人であり、最近『教訓劇としてのボヘミアからの放逐』Die Vertreibung Boehmen als Lehrstueck を著し、チェコ人とドイツ人の複雑な関係を分析した。

あらかじめ配布された祝辞の中で、ズデーテンドイツ郷土会のラインフリート・フォーグラー副議長は、グロッツ氏の本は民族浄化という病の治癒を可能にせねばならないと求めている点において教訓劇以上のものであると評価した。

あらかじめ配られた演説原稿によれば、グロッツ議員はこの授賞に超党派的姿勢と対話を求める審査委員会の意志が窺えると述べている。チェコとの真の和解のためには、「過去を単なる過去に留めておく」という配慮が求められる。「向こう側が彼らの傷を示せるようにするため、私たちは自分たちの傷を見せる必要があるのだ」、とグロッツ議員は強調した。

土曜日(明日)には、少数民族の権利に関する専門家で南チロル人のクリストフ・パンに対し、ズデーテンドイツのヨーロッパ・カール賞が贈られる。聖霊降臨祭の日曜日に開かれる政治集会には、バイエルンのエトムント・シュトイバー州首相やギュンター・ベックシュタイン州内相(いずれもキリスト教社会同盟)が演説を行う予定である。

原題:Sudetendeutsche senden versoehnliche Toene nach Tschechien

*)関連ニュース:5月14日「チェコの政治家がベネシュ布告の撤廃に言及」




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