2004年5月30日(日)20:44

バイエルン州首相はEUレベルでベネシュ布告問題の解決を求める

ニュルンベルク(AP)

バイエルンのエトムント・シュトイバー州首相は、EUレベルでベネシュ布告の撤廃を図る意向である。「私たちは、もはや放逐布告の存続する余地のないヨーロッパを望む」。チェコのEU加盟を受けて今や「共通の家、すなわち欧州議会で新たな議論」が始まるのである、とキリスト教社会同盟のシュトイバー州首相は日曜日、ニュルンベルクで開かれた恒例のズデーテンドイツ人の聖霊降臨祭の大会で演説した。

EU東方拡大後、チェコとの間でベネシュ布告を協議するまったく別の基盤ができた、とシュトイバー州首相は述べた。チェコスロヴァキアのエドヴァルト・ベネシュが第二次大戦後のズデーテンドイツ人の放逐を合法的と宣言したこの布告について、州首相は「歴史のごみの山」に捨てられるべきものと発言し、ニュルンベルクのフランケンホールに集まったおよそ10,000人の聴衆から大きな拍手を受けた。

チェコのヴラディミール・シュピドラ首相はこの要求をきっぱりと退けた。首相は日曜日、チェコのテレビで、この問題は完全に協議済みであり、私は新たな議論を始めるつもりはない、と語った。

シュトイバー州首相は、もしベネシュ布告が効力を保てば、ヨーロッパは信頼を失うという見解を表明した。「もし私たちがヨーロッパで自ら人権違反の放逐布告を放置しておけば、コソボやアフリカの放逐に対する政策で信頼を得られないだろう。」

これより前、ズデーテンドイツ郷土会のベルント・ポッセルト議長は、二年前にチェコ議会がベネシュ布告を確認したことを厳しく批判し、これはベネシュの「列聖化」(=聖人の列に加えること。訳注)に等しいと述べた。同郷土会のヨーハン・ベーム広報官は、NATOとEUがバルカン半島で放逐を阻止しながら、一方でズデーテンドイツ人の放逐の結果が「最高の賞賛」を受けているのは「グロテスクな状況」であると語った。

シュトイバー州首相は、チェコのEU加盟交渉の際にベネシュ布告の撤廃に尽力しなかったとして、社会民主党と緑の党の連立政権を批判した。ドイツ出身のギュンター・フェアホイゲンEU拡大委員もチェコに対して一度もベネシュ布告の問題を取り上げなかった、と州首相は批判した。

シュトイバー州首相は、私は東方拡大が「和解の力」をもたらすと考える。すでに現在の段階でチェコとの間で200件の姉妹校協定が結ばれており、100件の共同プロジェクトがある、と語った。

州首相はまた、社会民主党のペーター・グロッツ議員と故郷放逐者同盟のエーリカ・シュタインバッハ議長を主唱者とする、ベルリンに建設予定の故郷放逐廃止センターZentrum gegen Vertreibungの計画について、支持を表明した。

ポッセルト議長の言葉によれば、第55回のズデーテンドイツ大会では普遍的人権がテーマになったという。土曜日には少数民族の権利の専門家である、南チロルのクリストフ・パン教授がズデーテンドイツの2004年度ヨーロッパ・カール賞を受賞した。グロッツ議員にはズデーテンドイツ文化大功労賞が贈られた。

原題:Stoiber will Streit um Benesch-Dekrete auf EU-Ebene loesen




トップへ戻る