2005年5月17日(火)16:08

シュレーダー首相は故郷放逐者問題でバイエルン州首相を非難

プラハ(AP)

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、故郷放逐者問題でのチェコの姿勢に対するキリスト教社会同盟エトムント・シュトイバー党首の批判を厳しい言葉で退けた。ドイツとチェコの関係はきわめて良好な状況にあり、「警世の士を自称する人間」の「あれやこれの日曜演説」で混乱させられるものではない、と首相は火曜日、プラハでチェコのジリ・パロウベク新首相との会談を終えて語った。

シュトイバー党首はアウクスブルクで開かれたズデーテンドイツ人の聖霊降臨祭の大会に出席し、チェコの憤激を買っていた。バイエルンの州首相を務める同党首は、チェコスロヴァキアの故エトヴァルト・ベネシュ大統領の記念碑の除幕式を「挑発」と評し、ドイツとチェコの「善隣関係に明確に反する」と非難していた。

ベネシュ大統領は第二次大戦後の任期中に、ズデーテンドイツ人とハンガリー系少数民族のチェコスロヴァキアからの追放の根拠となった一連の布告を公布した。チェコ議会は3年前にこの布告を再確認している。

パロウベク首相はシュトイバー州首相の発言を、「チェコの内政問題に関する信じがたい介入」と評したが、シュレーダー首相との会談後はこの問題に関する発言を控えた。シュレーダー首相は、「容認しがたいメッセージ」であるとして、シュトイバー州首相の発言を批判した。1997年のドイツ・チェコ宣言では共に未来を築くことで合意されているのだ。「私たちの共同の未来は共同の欧州の未来である」、と首相は語った。

私は「どんな形であれ故郷放逐が個々人にもたらした大災害」を相対化するものではない。しかし原因と結果を取り違えてはならない。「放逐の原因となったのは占領と戦争であり、これらはドイツが引き起こしたものなのだ」、とシュレーダー首相は強調した。

シュレーダー首相とパロウベク首相の会談の中心テーマはEU政策であった。シュレーダー首相は、チェコの労働者に対しドイツが労働市場開放までEU加盟後7年の移行期間を設けていることについて、移行期間の短縮はありえないと発言した。「私たちは現在のところ、変更を受け入れる状況になく、またその意思もない」と首相は述べた。

パロウベク首相は、私はシュレーダー首相とこの件について膝を交えて話したいと考えていると述べた。社会民主党のパロウベク首相はおよそ3週間前にスタニスラフ・グロス首相の後を受けて首相に就任した。同じ社会民主党のグロス前首相は、豪華マンションの資金提供を受けていたことが発覚し、首相を辞任した。先週金曜日、新政権は議会の定める信任投票で辛うじて信任を受けた。

午後、シュレーダー首相とパロウベク首相はかつてのテレージエンシュタット強制収容所を一緒に訪れ、国立墓地に花輪を捧げる予定である。ナチスは1941年から1945年の間、この北ボヘミヤの要塞都市に150,000人以上のユダヤ人を強制収容した。そのうちおよそ35,000人は飢餓や疫病で命を落とした。1942年以降は87,000人のユダヤ人が東部の絶滅収容所に送られた。その大部分はアウシュヴィッツである。生き残ったのはわずか3,800人に過ぎない。

原題:Schroeder greift Stoiber wegen Aeusserungen zur Vertriebenenfrage an




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