2006年5月21日(日)11:53

ドイツ元大統領は次期EU拡大を「スキャンダル」と評す

ミュンヒェン(AP)

ドイツのローマン・ヘルツォーク元大統領は、2007年1月1日に予定されているルーマニアとブルガリアのEU加盟をスキャンダルであり「まったくの茶番」と批判した。「両国はEUの一員となりたがっているが、それならばその前に宿題を済ませなくてはならない」。加盟基準をまず満たしてから、加盟も可能となるのである。EUは安易な姿勢によってEUへの不満を煽っている、とニュース雑誌『フォーカス』Focusはヘルツォーク元大統領の発言を報じた。

同様の慎重論はドイツ連邦議会のゲルダ・ハッセルフェルト副議長からも聞かれた。「そもそもの加盟基準が達成される前に加盟期日が決められたのは、健全な理性では考えられない」とキリスト教社会同盟(CSU)所属のハッセルフェルト副議長は語った。

キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)のフォルカー・カウダー議員団長は批判を退けた。たとえばブルガリアではEU加盟の圧力により汚職や組織犯罪の撲滅が進んでいる、と議員団長は述べた。『フォーカス』誌によれば、ヘッセンのローラント・コッホ州首相は、連邦参議院ではキリスト教民主同盟・社会同盟が政権を握っている連邦州からもほとんど異議は出ないだろうと語ったという。「誤りはもう起きてしまったのだ」。だが加盟の実現には疑念の余地はない。それゆえ今後は作為的な遅延も行うべきではない、とコッホ州首相は述べた。

原題:Herzog nennt EU-Erweiterung Skandal




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