2007年5月17日(木)11:12

欧州委員会はマルタとキプロスの2008年のユーロ導入を承認

ブリュッセル(AP)

ユーロ圏は引き続き拡大する。マルタとキプロスは欧州委員会より来年のユーロ導入に関する承認を得た。欧州委員会は水曜日、地中海の島国である両国が2008年1月1日のユーロ導入の基準を満たしたと発表した。14番目と15番目のユーロ圏加盟に関する最終的な決定は、6月に開かれるEU財務相会議で行なわれる予定である。欧州中央銀行(ECB)は両国に対し、債務を目に見える形で削減するよう勧告した。

欧州委員会のホアキン・アルムニア通貨政策担当委員は、マルタでは通貨切り替えの実際的な準備がすでにかなり進んでいると称賛する一方、キプロスについては一層の努力が必要であると述べた。

しかし欧州委員会は、両国がユーロ圏加盟の条件となる、いわゆる収斂基準を満たしているとの見解を発表した。キプロスの財政赤字は昨年度はわずか1.5パーセントで、これは安定協定に定められた3パーセントの基準を大幅に下回っている。マルタは財政赤字を、2006年に初めてマーストリヒト基準を下回る2.6パーセントに抑えることに成功した。

国家債務はキプロスが65.3パーセント、マルタが66.5パーセントと、いずれも60パーセントの上限を超えているものの、減少傾向にある。キプロスのインフレ率は、欧州委員会の勧告の基準となった2007年3月までの12ヶ月間で平均2.0パーセントとなっており、これは基準値の3.0パーセントを下回っている。マルタのインフレ率も平均で2.2パーセントにとどまった。

またマルタ・リラもキプロス・ポンドも、2005年5月2日の欧州変動為替メカニズムへの加盟以来、標準変動値であるプラスマイナス15パーセント以内に収まっている。

欧州中央銀行は両国に対し、目に見える形で債務削減を行い、労働市場などの構造改革を進めるよう勧告した。このような改革を行なえば、ショックに対する国民経済の抵抗力を高められる。とりわけキプロスは島の南北を再統合した場合、大きな構造的、財政政策的課題を抱える恐れがあるため、構造改革が必要である、と欧州中央銀行は水曜日に発表した収斂報告書で指摘している。

キプロスは依然分断が続いている。そのため、ユーロ導入の計画の恩恵を受けるのは、差し当たり南部のギリシャ系キプロス共和国の73万人に留まり、北部のトルコ系キプロスの22万人は該当しない。

原題:Malta und Zypern duerfen den Euro einfuehren Feiertagszusammenfassung




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