2008年5月21日(水)15:19

欧州議会はトルコの改革熱意の欠如を非難

ブリュッセル(AP)

欧州議会は改革への熱意に欠けるとしてトルコを非難した。水曜日ストラスブールの欧州議会で採択された報告書は、トルコ政府に対して「決定済みの改革を断固として推進し、トルコを近代的で豊かな民主国家に変えるよう」強く求めた。「さらなる遅延」はEUとトルコの加盟交渉に悪影響を及ぼす恐れがある、と欧州議会は警告した。

欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員も「鈍い改革スピード」に懸念を表明し、「トルコはさらに1年無駄にすることは許されない」と警告した。しかし一方でレーン委員はストラスブールで、夏休みの前にもトルコとの間で新たに2分野の加盟交渉を開始するとの意向をあらためて強調した。レーン委員は、交渉の対象となる企業法と特許権の分野はむしろ技術的な問題に過ぎない。だがこれはEU加盟の「基盤となる体制改革」なのである、と指摘した。

欧州議会は言論の自由の拡大を要求

欧州議会はトルコで言論の自由が依然制限されていることを批判した。最近行われたトルコ刑法の条文修正は「この条項の包括的な改革に向けた最初の一歩」に過ぎない、と欧州議会は釘を刺した。

トルコ議会は先日、刑法の「トルコ性に対する侮辱」罪に制限を加え、「トルコ国家に対する侮辱」に限定した。あわせて最高刑は禁固3年から2年に引き下げられた。これまでこの刑法301条を根拠に、ノーベル文学賞作家のオルハン・パムクら多くの作家やジャーナリストが告訴されている。

欧州議会は与党公正発展党(AKP)に対するトルコの司法の対応にも懸念を表明した。レーン拡大担当委員は、トルコの憲法裁判所で審議されている同党への解党要求は「法治国家ならびに民主的主義の原則に則り」決定されねばならないと求めた。

エルドアン首相の「同化」発言に対する批判

欧州議会は、トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相による2月のドイツ訪問の際の発言にも言及した。エルドアン首相はドイツに暮らす数千人のトルコ人を前に、「同化は人道に対する犯罪である」と述べた。これに対して欧州議会は、もしエルドアン首相がこの概念をそのように評価するならば、トルコ政府の方でも「あらゆる国民に対し、民主的なトルコという国の内部でそれぞれの文化的アイデンティティーを自由に伸ばせるよう保障する」べきであると述べた。欧州議会のこの指摘は、トルコにおいてクルド民族や他の宗教的マイノリティーが抑圧されている状況を批判したものである。

原題:EU-Parlament wirft Tuerkei mangelnden Reformeifer vor




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