2010年5月12日(水)16:07

欧州委員会は危機対応法案を発表

AFP

欧州委員会はユーロ加盟諸国の財政危機を断固とした姿勢で解決する意向である。ブリュッセルの欧州委員会は、各国の財政に対する監視の強化ならびに危機に瀕した加盟国に対する長期的な財政支援を盛り込んだ危機対応法案を発表した。第一の目標はユーロの防衛である、と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は述べた。

欧州委員会案の中核となるのは、財政赤字を抱える国々に対する指導の強化である。欧州委員会は加盟国に対して、財政計画と改革プログラムを欧州委員会が審査できるよう、あらかじめ毎年初めに提出することを求めている。この提案に対してはドイツや他の加盟国から反対の声があがっている。

さらに欧州委員会は、多額の負債を抱えた国に対する「恒常的な危機解決メカニズム」を発表した。ユーロ諸国は先週末、前例のない7500億ユーロの支援枠組みで合意している。しかしこれには3年の期限が設けられる。

一方スペイン政府は深刻な財政赤字の克服に向けて、大胆な緊縮計画を進めている。ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテーロ首相によれば、削減措置は6月以降の公務員給与の5パーセント削減などを柱とする。また2011年には昇給は停止される。同様の措置は、貧困者を除き、年金にも適用されるという。

この措置の決定は政府にとって「容易なことではない」。私は緊縮法案が「はっきりと社会に影響を及ぼす」ことを承知している、とサパテーロ首相はスペイン議会で述べた。

20パーセントの失業率に苦しんでいるスペインは、今後2年間の緊縮財政でおよそ150億ユーロを節約する意向である。スペインは財政赤字を2013年までにEUの基準である対GDP比3パーセント以内に抑えるため、すでに今年1月の段階で500億ユーロの緊縮法案を決定している。昨年の財政赤字は11パーセントを越え、ユーロ圏ではアイルランドとギリシャに次ぐ第3位の赤字大国となり、ポルトガルと並んでユーロの安定にとって不安要因となっている。

原題:EU-Kommission stellt Anti-Krisen-Paket vor




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