2010年5月12日(水)15:28
ブリュッセル(AP)
深刻なユーロ危機にもかかわらず、欧州委員会は通貨同盟拡大に向けてゴーサインを出した。欧州委員会は水曜日、エストニアを来年16ヶ国から構成されるユーロ圏に迎え入れるよう勧告した。「私たちはエストニアがこの間条件を満たしたと考えている」と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は語った。最終決定は7月のEU財務相理事会で行われる。
欧州委員会のオリ・レーン財務担当委員はこの混乱の時期における勧告について弁明した。「ユーロから脱退しようというのではなく、ユーロに入りたいという」行列ができており、まったくユーロ信認の危機などはない。エストニアに対する肯定的な決定は「客観的な基準」に基づいて行われたものだ、とレーン委員は語った。
実際、エストニアは今年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で2.4%、債務残高が9.5%と予測され、ユーロ圏では群を抜く最優等生となり、また唯一安定協定を守る国となる見込みである。
しかしバイエルン州のエミーリア・ミュラー欧州担当相は「誤った時期に誤ったメッセージを送った」として欧州委員会を批判した。ほかならぬ今ユーロ圏を拡大しようとする者は、現在抱えている問題の大きさを本当に理解しているのかと問われても仕方がない。「私たちは新しい住人に関する決定を行う前に、まずは自分たちの家を整えなくてはならないのだ」とミュラー欧州担当相は述べた。
原題:EU-Kommission schlaegt Euro-Beitritt Estlands vor