2011年5月12日(木)18:25

コーンベンディート欧州議員はデンマーク人に対するビザ義務を要求

ベルリン(dapd)

ドイツの政治家はドイツとの国境で国境検査を復活させるというデンマークの発表に憤慨をもって反応した。緑の党所属のダーニエル・コーンベンディート欧州議員は木曜日、デンマーク国民に対するビザ義務の再導入を求めた。ギード・ヴェスターヴェレ外相(自由民主党FDP)は、EUの成果をもてあそばぬよう強く戒めた。

デンマークは水曜日、再びドイツとの国境で「恒常的な」検査を実施すると発表した。デンマークはこの措置の理由として、不法移民が増加していることや国境を越える犯罪を挙げている。

コーンベンディート議員はシュピーゲル誌オンライン版Spiegel Onlineに対して、デンマーク国民はいずれかを決定しなければならないと述べた。「国境検査を本気で導入するならば、シェンゲン圏から離脱せねばならない。しかしそうなれば自分たちがヨーロッパを旅行する際、またビザが必要となる。訪ねる欧州諸国一国につき一つずつだ。」

1985年に調印されたシェンゲン協定は協定加盟国の国境検査の廃止を定めている。EU加盟国の大半は加盟している。ブルガリアとルーマニアは加盟を希望しているものの、まだ加盟の条件を満たしていない。一方でEU非加盟国のノルウェーやアイスランド、スイスは加盟している。

ヴェスターヴェレ外相は、旅行の自由とシェンゲン協定は「内政上の理由で犠牲に」されてはならない。「私はデンマークに対して、またEU加盟国の仲間に対して、この問題では後退はありえないと声を大にして伝えるつもりだ」と述べた。

ドイツのハンスペーター・フリードリヒ内相はARD放送の番組モルゲンマガツィーンMorgenmagazinで、シェンゲン圏では国境検査は例外的な場合しか認められない。「これが例外的ケースにとどまるよう、私たちは正確な基準を定義する必要がある」と語った。

ドイツのザビーネ・ロイトホイザー・シュナレンベルガー法相(自由民主党FDP)は、デンマークの提案はいかにEUの規則や国境についての基本的観念が危ういものであるかを示している。それゆえ、旅行の自由や開かれた国境がどのような意義を持つのかを議論するのが重要である、とドイツ放送Deutschlandfunkで語った。

社会民主党(SPD)のトーマス・オッパーマン議員団長はフリードリヒ内相に対して、ドイツが国境検査を受け入れるつもりがないことをデンマークの内相に明確に伝えるべきであると要求した。旅行の自由と移動の自由は右翼大衆迎合主義の潮流から守られねばならない、とオッパーマン議員団長は述べた。デンマークでは右翼大衆迎合主義政党が伸張し、不法移民に対する国民の不安を煽ることに成功している。

人権団体アムネスティー・インターナショナルはEUに対し、北アフリカの難民に対してEU国境を開くよう呼びかけた。「国境検査の強化は解決にはつながらない」。ドイツ政府も受け入れに尽力すべきである、とアムネスティー・インターナショナル・ドイツ支部のヴォルフガング・グレンツ副支部長は述べた。

ドイツとスウェーデンの国境で永久的な検査を再導入するというデンマークの計画は遺憾である。しかしこれはシェンゲン協定によるEU内部の移動の自由に関わることであり、アムネスティーが反対しているのは地中海方面のEUの閉鎖である、とグレンツ副支部長は述べた。

原題:Cohn-Bendit fordert Visa-Pflicht fuer Daenen




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