2016年5月2日(月)

欧州委員会は国境検査の延長を勧告の意向

ドイツ通信社dpa

難民問題を受けて欧州委員会は、EU内部国境の検査について5月12日以降も延長を認めるとの意向を表明した。

欧州委員会は水曜日に発表予定の勧告を2ヶ月前のシェンゲンタイムスケジュールですでに予告している。ドイツと他のEU加盟国は欧州委員会に対して、万一を考えて内部国境の検査を夏以降も延長するよう強く要求していた。

デンマークは少なくとも6月初めまで引き続きドイツとの国境で抜き打ち的に旅行者を検査する。デンマーク政府は国境検査を6月2日まで30日間延長すると発表した。インガー・ストイベルク統合担当相Inger Stojbergはその理由として、スウェーデンがデンマークとの国境で組織的な国境検査を行っていることを挙げた。

「正規の書類を持たない難民申請者がスウェーデンに入国できなければ、多くの難民や移民が我が国に滞留するという深刻な危険性が依然残る」。一方でドイツなどにいる多数の非登録難民がデンマークを目指す可能性もある。「このような難民の集結はデンマークの公共秩序と国内の安全を脅かす恐れがある」と報道はストイベルク統合担当相の発言を報じた。

欧州委員会が5月中旬以降さらに6ヶ月の国境検査の延長を承認したならば、新たな移民の動きに対する「明確なEUの行動能力のしるし」になるだろう、とドイツのトーマス・デメジエール内相は語った。欧州委員会の広報官はこの提案について「私たちは良く心得ている」と述べた。

欧州委員会は3月のシェンゲンタイムスケジュールによれば、EU加盟国を代表するEU閣僚理事会に対して延長を提案することになる。提案の理由は、以前の発表によれば、変わらぬ移民の圧力であり「外的国境の深刻な管理の問題」である。

広報官は延長の期間については触れなかった。フランクフルター・アルゲマイネ日曜版によれば、国境検査は6ヶ月の延長が認められ、11月中旬までとなるという。欧州委員会は延長の目標について、すべての内部国境検査を今年末までに廃止することとしている。

バイエルン州首相を務めるキリスト教社会同盟(CSU)のホルスト・ゼーホーファー党首は、同州が連邦に対して計画している憲法違反の訴えを見送る条件として、オーストリア国境での検査で連邦政府が譲歩することを挙げた。州政府は来週火曜日の連邦政府との協議を受けて決定する意向であるが、「訴えを永久に行わないわけではない」とゼーホーファー党首はミュンヒェンで開かれたCSUの役員会議で語った。「何も決定されたわけではない。その決定を行えるのは州政府だけだ」と同党首は強調した。

バイエルン州のヨアヒム・ヘルマン内相(CSU)は連邦政府のトーマス・デメジエール内相(キリスト教民主同盟CDU)と、今後のドイツ・オーストリア国境における国境検査のあり方について協議する予定である。これまではおよそ60ヶ所の国境通過所のうち、ごく一部しかドイツ連邦政府の検査対象になっていなかった。バイエルン州政府は今後はさらに多くの国境通過所で監視を実施するよう求めている。

原題:Bruessel will Verlaengerung von Grenzkontrollen empfehlen




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