2016年5月5日(木)

欧州委員会はEU内の「自動的」難民配分を強制する意向

AFP

数ヶ月に及ぶ懇願や脅迫の末、欧州委員会はEU内での難民分担を強制する意向である。欧州委員会は水曜日、重い負担に喘いでいる難民到着国を救済するため、難民を「自動的に」配分することを提案した。これに加わらないEU加盟国は、受け入れを拒んだ難民1人につき25万ユーロの「罰金」を払わねばならない。併せて欧州委員会は難民問題を受けてドイツなどの国々の国境検査の延長に道を開いた。

欧州委員会は水曜日、従来のEU難民受け入れシステムを改革する決定を行った。いわゆるダブリン規定によれば、難民は原則的に最初に入国したEU加盟国で難民申請を行わねばならない。このため、ギリシャやイタリアのような難民の主要到着国は完全に負担超過となり、難民は長い間何ら規制を受けずに他のEU加盟国に移動する状況が放置されていた。

こうした事態を避けるべく、欧州委員会は「公正メカニズム」を提案した。これは一国での難民申請者の数が、その国の人口と経済力に相応した規定数を超えた場合、「自動的に」発動される。規定数を超えた難民申請者は、定められた基準に基づいて他の加盟国に割り当てられるというものである。

受け入れを拒否する国は、12ヶ月間の除外申請を二度まで行うことができる。しかしその場合受け入れを拒んだ難民申請者1人につき25万ユーロを支払わねばならない。欧州委員会はこれを「連帯拠出金」と呼ぶ。というのはこのお金は代わりにその難民を引き受けた国が受け取るためである。

ハンガリーはこの計画を「恐喝」と評した。提案は「不当な要求」であり「非EU的」である、とペーテル・シーヤールトー外相は批判した。ハンガリーはスロヴァキアと同様、EUの進める一時的な難民分担メカニズムに反対し、すでに欧州司法裁判所に提訴しており、遅くとも10月にはこの問題について国民投票を実施する意向である。

欧州委員会はまた「公正メカニズム」の枠内で、加盟国が直接EU外からの難民移住を受け入れるか否かも考慮する意向である。これにより、合法的なルートでEUに移住しようというインセンティブが与えられる。欧州委員会の提案は今後EU加盟国と欧州議会の承認が必要となる。

この承認手続きは、加盟国の意向に反しても介入できる権限をEU難民担当局Easoに与えるという欧州委員会の計画についても当てはまる。「非常介入」は、EU加盟国が難民の大量流入により難民審査手続きを行えず、欧州委員会の勧告を実行できず、支援の申し出を拒否した場合に発動されるという。この点、この計画は新たなEU国境沿岸警備の計画に似ている。

一方難民申請者は、割り当てられた国に滞在することを法的に厳しく義務付けられることになり、「難民ショッピング」すなわちいくつものEU加盟国で申請を行うことが禁止される。このために指紋を含む包括的なEUデータバンクが作られることになる。将来は6歳以上の子供についてもデータが収集される。指紋登録を拒否した場合、加盟国は強制や強制拘禁の措置を講じることができる。ただしあくまで「最終手段として」である。

難民問題を受けて導入されたシェンゲン圏内の国境検査については、欧州委員会はすでにさらなる延長への道を開いた。これにより、ドイツも5月中旬以降「最長で6ヶ月間」オーストリア国境での検査を継続することが可能になる。これは従来の法的基盤ではもはや不可能となっていた。

欧州委員会の発表によれば、オーストリアはハンガリーおよびスロヴェニアとの国境で検査を継続できる。しかしオーストリア政府が予告したイタリア国境のブレンナー峠での国境検査については欧州委員会は当面必要性を認めなかった。デンマークについては、対ドイツ国境でのフェリーならびに国境通過点での検査となる。ノルウェーとスウェーデンも従来の国境検査の延長が認められる。

しかし欧州委員会の目標はあくまで年末までに国境検査を撤廃することである、と同委員会のフランス・ティメルマンス副委員長は述べた。「私たちは、11月までに正常に機能するシェンゲン圏を回復させるという明確なタイムスケジュールを持っている。」

原題:EU-Kommission will "automatische" Fluechtlingsverteilung in EU erzwingen




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