2016年5月7日(土)

ユンケル欧州委員長はオーストリアに対してブレンナー峠の国境検査に警告

ドイツ通信社dpa

欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長はオーストリアに対して、移民排斥のためにイタリア国境のブレンナー峠で国境検査を再開することを戒めた。そうなれば「政治的破局」であると委員長はフンケ・メディアグループの各紙に語った。

この交通の要衝はあらゆる意味でヨーロッパの北と南を結ぶ重要な連結点だ。「それゆえブレンナー峠を封鎖するものは誰であれ、経済ばかりか政治的にも重大な結果を招くことになる」とユンケル委員長は警告した。

バルカンルートが閉ざされ、トルコとEUの難民協定が発効した後、移民は他のルートでヨーロッパを目指すと予測される。ブレンナー峠の国境検査は難民の大量流入に合わせて再開するとされている。オーストリアは国境に長さ370メートルの鉄条網を設置する準備も行っている。

ユンケル委員長は全体としてEU内の難民問題は速やかに鎮静化に向かうと予測する。「私たちは転換点に差しかかっている」「トルコとの協定は効果を示しており、難民の数は明らかに減少している」。協定発効から最初の3週間だけでも難民の数は80パーセントも減少した。だが「警報の完全解除」には、難民数が今後も持続的に低く留まるのを待たねばならない。トルコとの取り決めはEU加盟国に自由裁量の余地を与えてくれた。この危機から教訓を引き出し、中期的にはさらに公正で効率的な難民受け入れ制度を構築するための行動の余地である、とユンケル委員長は語った。

ユンケル委員長はまた、マケドニアとギリシャの国境でのフェンス建設を厳しく批判した。「フェンスは難民の前進を阻むことができるかもしれない。しかしいくら高いフェンスや壁であっても、戦争と暴力から祖国を逃れ、欧州を目指す人々をひるませることはできない。」

原題:Juncker warnt Oesterreich vor Grenzkontrollen am Brenner




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