2016年5月18日(水)
AFP
欧州委員会はポーランドの法治国家原則順守の問題で追及の手を緩めない。同委員会は水曜日、ポーランドの民族保守派政権に対して、法治国家違反の可能性によるEU制裁手続き強化の回避を図るならば、来週月曜日までに対応するよう期限を設定した。さもなければポーランド政府には「警告状」が送られ、いくつかの段階を経て最終的にはEUの議決権剥奪に至る可能性もある、と警告した。
欧州委員会はポーランドの問題で今年1月中旬に初めて、加盟国の法治国家性に関する審査手続きを開始した。欧州委員会は、数名の憲法裁判所裁判官の任命を違法に取り消し、憲法裁判所の決定を無視したとしてポーランド政府を非難している。加えて欧州委員会は、今後は政府が公営のテレビ・ラジオ局の総裁を直接に任命または解職できるとしたポーランドのメディア法改正も批判している。
欧州委員会の懸念を払拭するような「著しい進展」がなければ、欧州委員会のフランス・ティメルマンス副委員長が月曜日に法治国家性に関する審査結果を受理することになる、と欧州委員会は水曜日に説明した。その場合、ポーランド政府はこの「警告」後、2週間の対応期間が与えられる。さらなる段階は批判を受けた問題点の解消を求める欧州委員会の勧告である。これも実行されない場合、EUはポーランドに対して制裁を科す可能性もある。
この三段階の法治国家監督是正メカニズムは2014年初めに欧州委員会によって導入されたが、これまで適用されたことはなかった。しかし単独で欧州委員会がEU議決権剥奪のような制裁を科すことはできない。制裁には、ポーランドにおいてEU基本価値の「深刻で持続的な違反」が行われていると他の加盟国が全会一致で認めることが必要となる。ポーランドと連携しているハンガリーはすでに、制裁には賛同しないと表明している。
原題:Bruessel setzt Polen im Streit um Rechtsstaatlichkeit Frist bis Montag