2000年5月30日(火)19:52
ワルシャワ(ドイツ通信社) ポーランドの政権危機は早期決着の見通し立たず
連帯(AWS)とリベラルな自由同盟(UW)は、両党のスポークスマンが火曜日に語ったところによれば、今後二週間以内に連立政権の改造について決定する意向である。イェジ・ブゼク首相は火曜日、所属する保守政党ブロックの連帯選挙同盟(AWS)に対し、速やかに新たな首相候補を見つけるよう要求した。
同首相はすでに先週、自らが中道右派連立政権の更新の妨げになるつもりはなく、辞任の用意があると明言していた。自由同盟の党首で蔵相を務めてきたレシェク・バルツェロヴィチは、ブゼク首相に対する自由同盟(UW)の信頼が限界に達したことを伝えていた。
中道右派連立政権は前日、5人の自由同盟(UW)の閣僚が辞表を提出したことにより、事実上破綻してた。しかしブゼク首相はこれらの閣僚の辞任を認めなかった。ブゼク首相の後継者と目された財政金融の専門家ブロニスラフ・グラボフスキが首相就任を拒絶したことを受け、首相は火曜日、「連立両党間の合意事項を保証し、誰にも受け入れられるような首相候補者」をさがすことが連帯選挙同盟の義務である、と述べた。
自由同盟のスポークスマン、アンジェイ・ポトツキも連帯のスポークスマン、ピオトル・ザクも連立の再編成は可能であると考えている。「できるだけ早く事態の安定化が図らねばならない」と彼らは強調した。
政権危機に対する外国の反応はこれまでのところ控えめである。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相はポーランドの通信社PAPに対して、「私はポーランドがこれまでの外交路線を継続し、現在の危機がEU加盟交渉になんら影響を与えるものでないことを確信している」と語った。これに対し、自由民主党(FDP)の外交政策担当ヘルムート・ハウスマンは2003年に計画されているポーランドのEU加盟にとって「大きな危険」と見なし、「中欧の改革諸国の中で最大のポーランドが外れれば、他の国々の受け入れも意味がなくなってしまう」と述べた。
辞表提出にもかかわらず、5人の自由同盟の閣僚は火曜日平常通り閣議に出席した。バルツェロヴィチ、ブロニスラフ・ゲレメク外相、ヤーヌシュ・オニシュキェヴィチ防衛相、ハンナ・スホツカ法相およびタデウシュ・シリイチク交通相は辞任が公式に認められるまで職務を遂行する意向である。解職令はアレクサンダー・クファシニェフスキ大統領の署名を必要とする。しかし大統領はイスラエルを公式訪問中であり、水曜日の夜まで戻らない。
連帯選挙同盟(AWS)の労働組合系の議員がたびたび政府の改革案を否決に導いたため、自由同盟はとりわけブゼク首相の指導力の欠如を批判していた。一方、連帯選挙同盟内においても「造反者」に対する忍耐は限度に達したようである。「悪ふざけはもうおしまい、ときっぱり言わねばならない」とザクは語った。「国会の議決で党規に反した議員の態度は無責任である。」ザクは、「教えても直らない」議員に対してはこれからは即刻党から除名すべきである、という見解を示した。
原題:Kein schnelles Ende der Regierungskrise in Polen