2001年11月13日(火)17:08

EU拡大の輪郭が徐々に明らかに

欧州委員会:10カ国は2002年末までに加盟準備が整う − フェアホイゲン拡大委員は2004年の第一陣の加盟を「現実的」と評す

ストラスブール / ブリュッセル(AP)

欧州連合の拡大は徐々に具体的な形をとりつつある。全13カ国の加盟候補国中10カ国は来年末の加盟協議完了に向けて順調に進んでいる、と火曜日ストラスブールで発表された欧州委員会の年次進展報告書は報告している。「第一陣の加盟を2004年の欧州議会選挙前に実現させることは依然として容易なことではない」とフェアホイゲン委員は語った。「しかしこれはユートピアなどではなく、現実的で実現可能な設定である。」

最も加盟協議の進展している国はキプロスで、ハンガリー、チェコおよびスロヴェニアがこれに続く。しかし欧州委員会はポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、マルタおよびスロヴァキアにも2002年末までの協議完了が可能と保証した。だが、そのためにはさらなる努力が必要であるとしている。

しかし、政治的な論議を呼ぶ農業と環境のテーマは、2002年にようやく取り上げられる。フェアホイゲン委員は、その際に現在のEU財政枠に変更がないことを強調した。加盟協議の完了後、新規加盟は当該国ごとに現EU加盟国の批准を受ける必要があるため、第一陣の加盟は2004年に可能となる見込みである。

ブルガリアとルーマニアは加盟のための政治的基準を達成しているが、経済の面で大幅に遅れをとっている。トルコについては欧州委員会は進展を認めたものの、政治的には一層の改革努力が必要と勧告している。トルコとはまだ加盟協議が開始されていない。トルコを除く全加盟候補国は加盟のための政治的条件を満たしている。これには民主主義制度、法治国家、人権の尊重ならびに少数民族の保護が含まれる。

報告書によれば、加盟候補10カ国は経済的な要求についても達成に向けて順調な歩みを見せている。キプロスとマルタはすでに良好に機能する市場経済を備えており、EUの競争圧力に耐えられる。残りの8カ国も良好に機能する市場経済が存在するものの、なお付加的な改革が必要である、とされている。

悩みの種のポーランドとキプロス

欧州委員会は、EUの意向では第一陣に含まれねばならないポーランドに対してとりわけ、一層の努力を行うよう求めた。これは汚職撲滅や経済の民営化および再編成あるいは農業分野への取り組みについても当てはまる、と要求している。同国の経済情勢について欧州委員会は「従来から高かった失業率が再び上昇傾向にあり、財政赤字も膨らみつつある」と判断している。

加盟協議ではトップを走っているものの、ポーランドと並ぶ厄介息子がキプロスである。フェアホイゲン委員は「統一されたキプロスを新加盟国として受け入れることは我々の戦略的目標である」。しかしこれは「永続的な平和解決の模索に向けた建設的で実質的な進展」を意味するのである、と強調した。フェアホイゲンは「すべての当事者に対し、この目標を達成するため『機会の窓』を逃さず利用する」よう訴えた。

もし島の南部のキプロス共和国が単独でEU加盟を果たす事態になれば、トルコは占領中の北キプロスをトルコに併合すると警告していることが、この問題の背景にある。一方EU加盟国のギリシャは、南部のギリシャ系キプロスの早期の加盟に固執しており、これが実現されない場合は他の候補諸国の加盟を阻止すると警告している。

原題:EU-Erweiterung nimmt allmaehlich Gestalt an
Kommission : Zehn Laender koennen bis Ende 2002 beitrittsreif sein - Verheugen nennt erste Aufnahme 2004 realistisch