2001年11月20日(火)10:29
ニュルンベルク(AP)
欧州連合の速やかな東中欧への拡大を訴えて、ゲルハルト・シュレーダー首相は火曜日、ニュルンベルクにおける社民党党大会の二日目を開会した。「我々の望みは、鉄のカーテンの崩壊後、ヨーロッパにおいても本来一体のものが一つになることだ」と党首を務める首相は述べた。首相は、12の加盟候補国のうち第一陣との加盟協議が2002年末までに完了するという期待を述べた。ポーランド抜きの加盟第一ラウンドなど想像できないと首相は強調した。
外交・安全保障政策ならびに欧州政策が火曜日午前の党大会における議論の中心テーマであった。オーストリア社民党のアルフレート・グーゼンバウアー党首も、523人の代議員に向けた挨拶の中で速やかな拡大を支持する発言を行った。
シュレーダー首相は、EUはニース首脳会議の機構改革により宿題を済ませた。今度は加盟希望国が加盟に向けた態勢作りという課題を果たす番だ、と語った。「その際、政治的割引はありえない」と首相は戒めた。同時に首相は、第一陣の加盟国が2004年の欧州議会選挙までに加盟を果たすという「きわめて野心的なタイムスケジュール」の実現は可能との見方を示した。
シュレーダー首相は、国際的なテロのもたらした課題に鑑み、EUが安全と正義と自由が保証される空間に一体化せねばならないとして、EUの深化の必要性も主張した。首相は、未来を見据えた平和政策ならびに国連と欧州連合の強化に関する、テロ撲滅の提案を発表した。欧州政策に関する議論の枠内でイギリスのトニー・ブレア首相が午後、代議員らに対して挨拶を述べる意向である。
テロ攻撃が国内の安全にもたらした影響も午後の論議の対象とされている。オットー・シリー内相も国内の安全と計画中の移民法案について説明する意向である。
原題:Schroeder plaediert fuer zuegige Erweiterung der EU
Aussen- und Sicherheitspolitik im Mittelpunkt des SPD-Parteitages in Nuernberg
訳注:「本来一体のものが一つになる」とは、1989年11月のベルリンの壁崩壊に際して、ヴィリー・ブラント元首相が述べた言葉。