2002年11月18日(月)20:21
ブリュッセル(ロイター)
EU各国の外相は2004年5月1日の欧州連合(EU)拡大で合意した。
「期日は決まった」とドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は月曜日ブリュッセルにおいてEU各国外相との会合を終えて語った。したがって拡大交渉は12月までに完了されることになる。一方、フィッシャー外相と拡大担当のギュンター・フェアホイゲン欧州委員は、先日のブリュッセル首脳会議で提示された農業補助金の増額を求める加盟候補国の要求を退けた。
EU史上最大の拡大条約は来年の4月にアテネで調印される予定である。条約はすべてのEU加盟国および加盟候補国の批准が必要である。外交筋によれば、条約の発効には全EU加盟国および少なくとも1ヶ国の候補国の批准が必要であるという。しかし加盟全15ヶ国の承認が不可欠である。2004年の加盟予定国は、ポーランド、キプロス、チェコ、スロヴァキア共和国、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ハンガリー、マルタおよびスロヴェニアである。
EU議長を務めるデンマークのペール・スディー・メラー外相は、5月1日ならば各国議会には拡大条約を批准する時間は充分にあると述べた。これまでEUは加盟期日を明言したことがなく、2004年6月の欧州議会選挙前の加盟を目標に掲げていた。
多くの加盟国は本来2004年1月1日の加盟を期待していた。しかしポーランドのヴロジミエシュ・チモシェヴィッチ外相は、加盟候補国が同じ権利で2004年の欧州議会選挙とEU改革の政府協議に参加できるならば、これより遅い期日でも承認できる、と述べた。政府協議は、現在候補国も参加してEU憲法を策定中のEU将来像会議の勧告を実現化する予定である。
外交筋によれば、政府協議への全加盟候補国の参加はEU内の共通認識であるという。しかしフィッシャー外相は,政府協議への参加が自動的に投票権を意味するものではないと発言した。
これより前、フェアホイゲン委員は加盟候補国に対し過大な期待を戒める発言を行った。交渉での裁量の余地は限られていると同委員は15の現加盟国と2004年加盟予定の10の候補国の外相協議の席で述べた。フィッシャー外相は、私は10月のブリュッセル首脳会議における財政提案から大きく外れることはないと考えている。「大筋ではブリュッセルで合意されたとおりになるだろう」と語った。「裁量の余地はあまりないだろう。」
現EU加盟国はブリュッセル首脳会議で拡大に向けた予算案で合意している。これは加盟候補国に対する農業補助金を加盟当初は現加盟国の25%とし、段階的に支給額を上げ、最終的には2013年に満額支給するという案を含んでいる。
しかしポーランドのダヌータ・ヒューブナー欧州相は、ポーランドはEUの現在の計画より速やかで多額の農業補助金を期待していると述べた。外交筋によれば、加盟候補国に対する牛乳生産量の割り当ても議論を呼んでいるという。候補国中最大で、農業人口比の最も高いポーランドとの農業交渉は特に難しいと見られている。
原題:EU-Erweiterung soll 1.Mai 2004 werden
*一部原文中に文章の混乱がある。