2006年11月20日(月)21:58
AFP
EUのキプロス問題に対する圧力にもかかわらず、トルコは自国の港湾や空港をEU加盟国のキプロスに開放するという譲歩案を拒否している。「私たちには私たちの立場があり、新たな対応は問題外である」。トルコの政策は明確で断固たるものだ。約束を果たしていないのはEUの方である、とトルコのジェミル・チジェク法相はアンカラで閣議を終えて語った。
この直前、EU議長国フィンランドはこの問題でトルコ政府に対する最終期限の短縮を発表した。EU議長を務めるマッティ・ヴァンハネン首相は、ヘルシンキでの講演原稿によれば、トルコの歩み寄りの期限は12月初めまでであると語った。
ヴァンハネン首相によれば、欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員の勧告は「12月の第1週に」発表される。トルコに対する制裁の可能性は、その勧告を受けて12月11日にブリュッセルで開かれるEU外相理事会で決定されるという。これまで欧州委員会は11月8日に発表した加盟進捗状況報告書において、最終期限を12月14日と15日に開かれるEU首脳会議までとしていた。
トルコ政府は、トルコの港湾や空港をギリシャ系のキプロス共和国に開放することを拒んでいる。キプロス共和国は2004年5月1日からEU加盟国である。トルコ政府は、まずEUがトルコ系北キプロスの経済的孤立を解くべきであると要求している。
トルコが今後も解決を阻むならば、EUは35の加盟交渉分野のうち、いくつかの交渉を凍結するものと見られる。中でも通商分野の交渉を中断する可能性が高い。トルコとのEU加盟交渉は1年前に開始されたばかりであるが、差し当たりトルコ政府にとって完全な交渉中断の恐れはなさそうである。
原題:Tuerkei lehnt im Zypern-Streit Entgegenkommen ab