2006年11月27日(月)19:16
タンペレ(AP)
欧州連合とトルコの間のEU加盟交渉は瀬戸際に立っている。トルコ政府とEU議長国フィンランドの間で行なわれた関税同盟のキプロス拡大に関する協議は、トルコ政府の抵抗で決裂した、とフィンランドのエルキ・トゥオミオヤ外相は月曜日タンペレで伝えた。EUはトルコがEUとの関税同盟に従い、自国の港湾や空港をギリシャ系キプロスの船舶や飛行機に開放するよう強く求めている。
「解決の基盤が見出せなかった」。今後EU加盟国は加盟交渉の行方について共同で決定を下さねばならない。欧州委員会が提案を行う前に、まず加盟国の意見を聴聞することになる、とトゥオミオヤ外相は語った。EU外相理事会は12月11日にブリュッセルで開かれる次期会合でこの問題を討議する予定である。トゥオミオヤ外相は、それまでトルコには譲歩の時間が残されていると述べた。トルコのEU加盟問題の最終決定は12月14日と15日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議で決定される。
「私たちはトルコに扉を閉ざさない」とトゥオミオヤ外相は述べたが、一方でこの物別れに終わったトルコのアブドラ・ギュル外相およびキプロスのゲオルギオス・リリカス外相との会談の後、「これが今後に何がしかの影響を及ぼすのは避けられないだろう」と語った。
ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は、深刻な危機にも関わらず、トルコとの加盟交渉の継続を主張した。外相は欧州委員会に対して、これがEU加盟交渉やトルコのEU接近の中断に結びつかないことを保証すべきだと求めた。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相はトルコ側の努力を勧告した。首相はドレースデンで開かれたキリスト教民主同盟(CDU)の党大会で、直接キプロス問題に言及することなく、「いわゆる加盟進捗状況報告書は、実のところむしろトルコの改革の後退を述べているが、大きな問題を指摘している」と述べ、これが今年末までに改善されなければ、「『引き続きそのまま』という交渉のやり方は許されないし、ありえないだろう」と語った。
トルコ政府は、関税同盟に関する協議の決裂が加盟交渉全体の破局をもたらすものではないと強調した。加盟交渉を中断する理由はないとトルコのジェミル・チジェク法相は閣議を終えて述べた。「キプロスはEU加盟の前提条件ではない。」
トルコ政府がキプロス問題で協調しやすくするために、EU議長国フィンランドは先月妥協案を提案した。トルコが港湾・空港を開放する見返りに、トルコ系北キプロスに対して行なわれている制限措置を緩和するというもので、その場合トルコ系北キプロスのファーマグスタはEU貿易の自由港になるという案である。
しかしトルコはこの措置がギリシャ系キプロス共和国の事実上の承認につながるとして、拒否した。ギュル外相はタンペレに到着した際、交渉にはギリシャも加わらねばならないと要求し、キプロス共和国の国家主権を疑問視した。
地中海の島キプロスは、1974年のトルコ軍の北キプロス侵攻以来、分断状態が続いている。ギリシャ系のキプロス共和国は2004年5月からEUに加盟している。一方トルコ系北キプロスを国家として国際的に承認しているのはトルコのみである。国連の統合プランは住民投票の結果、ギリシャ系キプロスの反対で成立しなかった。
原題:EU-Beitrittsverhandlungen mit der Tuerkei in der Krise