2007年11月4日(日)13:49

イタリアはルーマニア人の統合問題を抱える

ローマ(AP)

ルーマニアのEU加盟から11ヶ月を経て、イタリアはこのバルカンからの移民の統合で問題を抱えている。度重なるルーマニア人の犯罪が偏見と敵意を生み、ついには暴力にまでエスカレートした。ローマで起きた、外国人排斥と見られるルーマニア人襲撃事件を受けて、ルーマニア政府ならびにイタリア政府は高まる緊張に懸念を表明した。金曜日の晩、ミラノでは犯罪を犯したルーマニア人4人が初めて国外追放処分を受けた。

イタリアではおよそ56万人のルーマニア人が住んでおり、これはイタリアの人口のおよそ1パーセントに相当する。その多くは道路工事、守衛、掃除婦として働いている。イタリア当局の犯罪統計によれば、移民による殺人、家宅侵入、性犯罪の大半はルーマニア人の犯行であるという。最近ではいくつもの凶悪犯罪が同時に発生し、マスコミで大きく報道された。たとえばローマ在住の女性が地下鉄内で別の女に傘で目を突かれ死亡した事件などである。映画監督のジュゼッペ・トルナトーレに対する襲撃事件では3人の男が逮捕された。また自転車に乗っていた男性が物取りのグループに襲われ、激しい暴行を受けたため、意識不明の重態に陥り、その後まもなく死亡した事件もある。同様の犯罪は北イタリアでも報じられており、一般市民の間では強い憤りの声が上がっている。

金曜日の晩、ローマの駐車場では8人から10人のグループがナイフや金属棒で武装し、ルーマニア人のグループを襲うという事件が起きた。そのうち、3人のルーマニア人は負傷し、1人の男性は頭に重傷を負った。この事件を受けて、イタリアのマッシーモ・ダレーマ外相は、これは「我が国にはふさわしくない組織犯罪」であると非難した。ルーマニアのカリン・ポペスク・タリチャーヌ首相は土曜日、「イタリアの外国人排斥の波」を批判し、「私たちはイタリアで働くルーマニア人の悪いイメージに対して対策を講じる必要がある」と述べた。イタリアのルーマニア人協会のオイゲン・テルテラーチ会長は、襲撃事件の後、「ルーマニア人社会は悪夢の日々を送っている」と語った。会長は、懸念と不安に満ちた雰囲気を醸成しているとしてイタリアのメディアを非難した。

世論の圧力を受け、ロマーノ・プローディ首相は先週水曜日、政令を承認し、イタリア当局によるEU加盟国の国民の退去に道を開いた。この政令によれば、社会の安全にとって危険と見なされれば、EU加盟国の国民といえども国外退去を命じることができる。そのわずか2日後、4人のルーマニア人がミラノからアリタリア航空機でブカレストに初めて送還された。今後さらに12人の送還が予定されている。

ミラノのジャンヴァレリオ・ロンバルディ知事は、こうした強制送還が国内の空気を一層悪化させ、さらなる暴力行為へと煽りたてる恐れがあることを認めた。「そのような危険性はあるだろう」。しかし移民の暴力を許さないという明確なシグナルを送ることも必要なのだ、とロンバルディ知事はテレビ局TG24TVに語った。

ルーマニアのアドリアン・チョロイアーヌ外相は、今回の強制送還について、イタリア国内の険しい空気を和らげる措置と評した。「すべての民主国家と同様にイタリアも世論に配慮しなければならない」。しかし一方で、外国人に対する暴力行為の再発を抑えるべく当局が対応する必要もある、とチョロイアーヌ外相は求めた。

原題:Italien hat ein Integrationsproblem mit Rumaenen




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