2007年11月6日(火)18:40

トルコはEUの批判に対処する意向

アンカラ/ブリュッセル(AP)

トルコは欧州委員会の厳しい批判を受けて国家侮辱罪の改正を発表した。火曜日の晩のテレビニュースによれば、メフメット・アリ・サヒン法相は数日中にも議会に改正案を上程すると発表した。これより前、欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、問題のある刑法301条は欧州の民主主義には受け容れ難いと述べた。

「欧州の民主主義においては、作家やジャーナリストあるいは他の市民が暴力を用いず意見を表明しただけで訴追されるなどという状況は到底受け容れられない」とレーン委員はトルコの加盟進展状況に関する欧州委員会の年次報告書の発表にあたって述べた。これまでトルコでは刑法301条に基づき、作家オルハン・パムクなどが訴追を受けている。パムクはその後ノーベル文学賞を受賞した。

レーン委員は、この規定は「直ちに廃止するか修正」されねばならない。さもなければ市民社会と基本権に関する加盟交渉の進展はありえない、と言明した。

加盟進展状況報告書は、トルコ国内のクルド住民に「完全な権利と自由が与えられ」ねばならないと、クルド人の権利拡大も求めている。レーン委員は、クルド反乱勢力のトルコ軍に対する攻撃を踏まえ、EUは国民を守ろうというトルコ政府の努力を理解すると強調した。しかし一方でアンカラに対し、クルド反乱勢力の退却地となっているイラク北部への軍事行動を控えるよう警告した。「トルコは引き続きイラクおよび国際社会と協力し、政治的な解決を図る必要がある。」

また欧州委員会は、トルコはEU加盟国キプロスの船舶や飛行機に対する港湾や空港の封鎖を解除しなければならないと要求した。これに対してトルコ政府は自国の立場を繰り返し、これは二国間の問題であると反論した。トルコの外務省は、EUは「EU加盟と関係のない障害を設けるべきではない」と述べた。

キリスト教徒などマイノリティーの扱いに対する批判

加盟進展報告書はまた、キリスト教聖書出版社の従業員の殺害など、トルコにおけるキリスト教や他の宗教的マイノリティーに対する襲撃についても言及した。マイノリティーに対する扇動的演説も「今までのところ刑罰の対象外である」と欧州委員会は批判している。

しかし欧州委員会はトルコとの加盟交渉を推進する意向である。来週以降にも消費者保護や欧州横断交通網といった技術的な分野に関する協議を開始する見込みがある、とレーン委員は述べた。

拡大進展報告書は緑の党や社会民主党の賛同を得た。トルコは「かつての改革の熱意を継承する」必要がある、と緑の党のジェム・エズデミール欧州議員は述べた。社会民主党のヴラル・エーガー欧州議員も、トルコの議会選挙後に政府が「国民の明確な負託を受け、課題に臨む」だろうとの期待を表明した。

一方、バイエルン州のマルクス・ゼーダー欧州担当相は、トルコがイラク北部に進攻した場合は加盟交渉を中断すべきだと求めた。「EU加盟候補国が侵略戦争を行なうなどという事態は考えられない」とゼーダー欧州担当相はフランクフルター・ルントシャウ紙に語った。

原題:Tuerkei will auf EU-Kritik eingehen




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