2007年11月6日(火)16:18

EUは意外にもセルビアに安定連合協定の展望を与える

ブリュッセル(AFP)

欧州連合はセルビアに対して意外にもEU接近の展望を与えた。戦犯容疑者のラトコ・ムラジッチが逃亡中にもかかわらず、欧州委員会は水曜日セルビア政府との間で安定連合協定を締結する意向であるとオリ・レーン拡大担当委員は発表した。同協定はEU加盟への最初のステップと見なされている。レーン委員はトルコとのEU加盟交渉についても来週以降進める意向を表明した。その一方で委員はトルコ政府に対し、クルド労働者党の反乱勢力との戦いを自制し、国内改革のスピードを上げることを求めた。

今セルビアにはハーグ国連旧ユーゴ戦犯法廷との協力を進めようという「政治的な意志」がある、とレーン委員はバルカン諸国とトルコに関する加盟進展年次報告書の発表に際して述べた。それゆえ私はカルラ・デルポンテ国連主任検察官と話し合った上で、安定連合協定を締結しようと考えている、と委員は語った。一方で委員は、これによりEUがコソボ独立の承認の足がかりを築こうとしているのではないかという推測を退けた。「この二つの問題は絶対に切り離さねばならない。」

しかしレーン委員によれば、セルビア政府が逮捕状の出ている戦犯容疑者を逮捕しなければ協定の調印には至らないという。EUはとりわけボスニアのセルビア軍のラトコ・ムラジッチ司令官の逮捕を求めている。セルビアとEUの間の協議は、ハーグ戦犯法廷との協力が不十分として、夏のセルビアの政権交代まで凍結されていた。

遅々として進まないトルコとの加盟交渉についてもレーン委員は促進させる意向である。フィンランド出身のレーン委員は、来週以降新たに2つの分野の交渉を開始すると発表した。すなわち消費者保護と保健施策、ならびに欧州横断ネットの分野である。一方で委員はトルコに対して、「改革に新たな息吹を与えるよう」強く迫り、議論のある刑法301条の撤廃を求めた。同条項は「トルコの侮辱」に対し最高で3年の拘留刑を定めている。

レーン委員は、クロアチアやボスニア、モンテネグロを踏まえて、依然汚職が蔓延し、組織犯罪が横行していると批判した。それゆえ新たな拡大ラウンドは「中期的あるいは長期的」にしか実現しない、と加盟進展年次報告書で指摘した。最も有望な候補国はクロアチアで、2009年のEU加盟を目指している。

原題:EU stellt Serbien ueberraschend Annaeherung in Aussicht




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