2007年11月22日(木)16:54

ドイツのショイブレ内相は東欧への国境開放を弁護

フランクフルト/ポツダム(AFP)

東欧8ヶ国への国境開放を1ヶ月後に控え、ドイツのヴォルフガング・ショイブレ内相(キリスト教民主同盟)は、いわゆるシェンゲン圏の拡大を弁護した。固定的な国境検査の廃止でドイツの安全が脅かされることはない、とショイブレ内相はフランクフルト・アン・デア・オーダーで、ポーランドのグジェゴジ・シェティナ内相との会談を終えて語った。これより前、数百人のドイツ連邦警察官が、ドイツ・ポーランドの国境の町フランクフルト・アン・デア・オーダーで国境検査の廃止に反対するデモを行なった。警察官の労働組合は国境開放が時期尚早であると批判した。

エストニア、ラトヴィア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、スロヴェニア、ならびにマルタとの国境検査は12月21日に廃止される。陸と海の国境検査に加えて、2008年3月30日にはドイツ側の空港での検査も廃止される。これによりシェンゲン圏は現在の15ヶ国から24ヶ国に拡大する。ショイブレ内相は拡大を「喜ばしいこと」と評した。シェンゲン圏は「ますます一体化を強めるヨーロッパの自由な旅行、最大級の移動の自由」を象徴するものだ。市民の不安には真剣に対処する。固定的な国境検査を移動式の国境監視に変えることは安全性を失うことにはつながらない、と内相はシェンゲン圏拡大を弁護した。

しかし警察労働組合(GdP)のコンラート・フライベルク委員長は懸念を表明した。「安全性の観点」から見れば、国境開放は「時期尚早」である。東欧諸国の国境検査の水準は低い。それゆえブランデンブルク州とザクセン州でドイツ連邦警察の警察官を850人、州警察の警察官を1000人それぞれ削減する計画は、「まったく無責任」である、とフライベルク委員長は批判した。

この日の午前中フランクフルト・アン・デア・オーダーでは、労働組合の発表によればおよそ300人の警察官が「国境開放には賛成、しかしテロと犯罪のフリーパスは許すな」とのスローガンを掲げて抗議のデモを行なった。警察の組織再編計画は検討不十分であると主催者は述べた。

ドイツ警察組合(DPolG)も怠慢を指摘した。ポーランドやチェコではこの数年間、国境検査廃止に必要な代替措置を講じるため、相当の努力を続けてきた。しかしドイツ側では政策レベルで重大な怠慢や過失が見られる、と同組合のライナー・ヴェント委員長は述べた。たとえば、移動式の検査を行なうというのにドイツのパトカーにはコンピュータが装備されていない。デジタル無線機もなければ、特段の出動戦略もない、と委員長は批判した。

一方、ブランデンブルク州のイェルク・シェーンボーム内相(キリスト教民主同盟)は国境開放を「歴史的成功」と評した。隣国ポーランドはEUの外の国境管理を引き受けるべく、集中的に準備を進めてきた、と内相は讃えた。

原題:Schaeuble verteidigt Grenzoeffnung zu Osteuropa




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