2008年11月5日(水)16:25
ブリュッセル(AP)
セルビアは来年中にも公式にEU加盟候補国として認められる可能性がある。欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は水曜日ブリュッセルで、「上手く行けばセルビアは2009年末までに加盟候補国の地位を得られる」。しかしその前提となるのは、セルビア政府が「ハーグ国連旧ユーゴ戦犯法廷から訴追を受けている戦犯容疑者を拘束すべく、全力を尽くすことである」。またセルビアはコソボの発展を阻害してはならない、と語った。
「EUはセルビアに対しコソボのEU法律使節団への建設的な協力姿勢を期待している」とレーン委員は述べた。コソボは今年2月セルビアからの独立を宣言した。伝統的にセルビア政府と同盟関係にあるロシアは、独立宣言に対する抵抗から、EU使節団がコソボ国連使節団と交代するのを阻止している。そのためEU使節団の派遣は著しく遅れており、これまでコソボの諸機関の設立を支援する約2,000人の専門家のうち、実際に現地に派遣できたのは約650人に過ぎない。
レーン委員はまたコソボ自体をEUに接近させる可能性も検討する意向である。しかし難しい点は、EUの加盟27ヶ国がすべてコソボの独立宣言を承認しているわけではないことである。レーン委員は、欧州委員会は2009年秋までにEUとコソボの間で「可能な条約関係」を調査すると述べた。目標はコソボの「EU安定連合協定への」組み入れである、と水曜日に更新された欧州委員会の拡大戦略は記している。安定連合協定の締結は通常EU加盟に向けた最初のステップとなる。
セルビアのハーグ国連旧ユーゴ戦犯法廷との協力に関して、レーン委員は12月のセルジュ・ブランメルツ国連主任検察官による新しい報告を待っている。この報告に照らしてセルビアのさらなるEU接近に関する協議を行うことになる、とレーン委員は語った。これまでのところEU加盟国のベルギーとオランダが、ボスニア系セルビア人のラトコ・ムラディッチ元司令官の逮捕が前提であるとして、セルビア政府とEUの協力関係の進展を阻止している。
原題:EU-Kommission: Serbien koennte 2009 Beitrittskandidat werden