2010年11月9日(火)16:46
AFP
欧州連合はあらためてトルコについて、基本的権利の保障に重大な欠陥があると批判した。トルコ政府は言論の自由や女性ならびにクルドのような少数民族の権利の保護に向けた取り組みを強化する必要がある、とブリュッセルで発表された欧州委員会の加盟進展報告書は指摘している。「名誉殺人、強制結婚、家庭内暴力は依然深刻な問題である」という。
欧州委員会は今年の年次報告書で、5年前に開始されたトルコとのEU加盟交渉について冷静な総括を行なっている。2004年からEUに加盟しているギリシャ系のキプロス共和国への歩み寄りについては「まったく進展なし」と評している。未解決のキプロス問題のため、8つの中心的な分野の加盟交渉は凍結されている。
一方、EUは約2ヶ月前に可決された憲法改正については「正しい方向への一歩」と評価した。この憲法改正は市民の権利の拡大ならびに軍隊に対する文民統制の強化を主眼としている。報告書は、しかし今後は改正を実行に移すことが必要であると求めている。欧州委員会はまた、当局による拷問や虐待への対策についても進展の方向が認められると評価している。しかし依然として「不適切な暴力行使」の事例があり、懸念材料となっていると指摘している。
原題:EU ruegt Tuerkei wegen Grundrechts-Defiziten