2011年11月16日(水)

メルケル首相のEU条約修正要求にEU内で反対の声

ストラスブール(dapd)

速やかで限定的なEU条約修正を求めたドイツ政府の要求に対して、反対の声が高まりつつある。ドイツ政府は債務超過国に対する自動的な罰則適用などを求めている。しかしEUのヘルマン・ファン・ロンパイ常任議長は「私たちは前進せねばならず、債務国を罰してばかりいられない」、経済協力の強化は「主権を他のすべての加盟国と分かち合うことと結びつく」、と水曜日ストラスブールの欧州議会で述べた。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は「条約のいかなる修正もEU全体の統合を強化するものでなくてはならない」と述べ、EUをユーロ圏と他の10ヶ国に分割せぬようあらためて警告した。

EU条約の修正要求はライプツィヒで開かれたキリスト教民主同盟(CDU)党大会の決定事項の一つである。しかしここで想定しているのは、極端な債務超過国の予算編成に対する介入権のみであり、今後は欧州司法裁判所に債務超過に対する処罰権を与えるというものである。しかしバローゾ委員長は「私たちにはさらなる裁判所は必要ない」と述べ、間接的にこの提案を退けた。加えて委員長は条約修正に対する過度の期待を戒めた。「私たちは思い違いをすべきでない。条約修正には時間がかかるので、これを今の危機を解決する即効策と考えてはならない。」

10月末のEU首脳会議では、欧州委員会とユーログループとの調整の上で12月までに可能な条約修正について最初の道筋を発表するよう、ファンロンパイ常任議長が委託を受けた。しかし水曜日、常任議長はブレーキをかけた。私は「まず『何』を、しかる後『いかに』を検討する」考えである。だが現在の条約内で実行できることはきわめて多くあり、「機構制度の改正は現在の財政危機の解決策にはならない」と釘を刺した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、その後EU条約の修正要求は1年以内に憲法会議Verfassungskonventで可決に至ると期待する。しかしこのタイムスケジュールはますます現実味が薄れつつある。ドイツ政府は、依然EU加盟国すべての賛同が得られていないことを認めている。欧州議会でもいくつかの党派がメルケル首相に対して苛立ちをあらわにした。欧州議会社会民主党のマルティーン・シュルツ代表は、バローゾ委員長とファンロンパイ常任議長に対して、メルケル首相にストップをかけるよう求めた。シュルツ代表は欧州議会も憲法会議に加わることを強く求めた。「欧州議会を抜きにしては効率的な改革は望めない」とシュルツ代表は語った。

原題:Widerstand in EU gegen Merkels Ruf nach Vertragsaenderungen




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