2011年11月24日(木)

メルケル首相はユーロ債に断固反対の姿勢を変えず

しかしキリスト教民主同盟の一部には理解の声も

AFP(Eric Feferberg)

欧州委員会の提案によりユーロ債の議論が開始されたが、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は依然、共同債に対する明確な拒絶姿勢を変えていない。ストラスブールでフランスのニコラ・サルコジ大統領およびイタリアのマリオ・モンティ新首相との三ヶ国首脳会議を終えた後、メルケル首相は私の態度は「まったく変わっていない」と述べた。一方幾人かのCDUの政治家はこれより前、ユーロ債の発行は長期的には考えられると発言している。

まずは通貨同盟の構造的弱点を「一歩一歩」克服する必要がある、とメルケル首相は語った。ユーロ債は利率の違いにあらわれた各国の競争力の強さや弱さを「平準化」するだけであり、最終的には「すべてを弱くする」ことになる、と首相は警告した。

一方キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)議員団のヨアヒム・プファイファー経済政策広報担当(CDU)はドイツ連邦議会の予算審議において、ユーロ債は「金融・経済・財政政策における欧州統合成功の要石」になりうると述べた。しかし債務超過に陥ったユーロ諸国の国債利子を速やかに下げるという短期的措置としては適しておらず、「統合の要石として10年、15年後の政策かもしれない」と語った。

CDU/CSU議員団のノルベルト・バルトレ予算担当主任(CDU)も、共同債には厳しい前提条件が必要と釘を刺した。バルトレ予算担当主任はフィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント紙Financial Times Deutschlandに、「私たちは絶対だめとは言わない。ただ『一定の条件なしのユーロ債はありえない』と言っているのだ」と述べた。まずは財政協定違反国に対する「厳しい制裁メカニズム」を設ける必要がある。しかる後に「私たちもユーロ債協議のテーブルに近づくことができるのだ」と語った。

自由民主党(FDP)のフィリップ・レースラー党首は明確な反対を表明した。「私たちはユーロ債を望まない」とレースラー党首は連邦議会で述べた。FDPのパトリック・デーリング副議員団長は連立相手のキリスト教民主同盟に警告を行った。「私はまたキリスト教民主同盟から最初の白旗が上がろうとしているのに驚く」とデーリング副議員団長はターゲスシュピーゲル紙Tagesspiegelに語った。「欧州議会のFDPは支持しないだろう。」

CDU中間層とCSUの代表は自由民主党の反対姿勢を支持した。「ユーロ債は基本的に誤った道である」とバイエルン州のマルクス・ゼーダー財務相(CSU)はドイチュラントフンクDeutschlandfunkで語った。CDU中間層議員団のヨーゼフ・シュラルマン代表はメルケル首相に対して、姿勢を明確にし、「共同債の導入を拒否するよう」求めた。

原題:Merkel bleibt bei striktem "Nein" zu Eurobonds
Einige Unionspolitiker aber aufgeschlossen




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