2012年11月23日(金)

中期予算をめぐるEU臨時首脳会議は決裂

AFP

欧州連合の中期予算計画には依然大きな疑問符がついたままである。EU加盟国の首脳はブリュッセルでEU臨時首脳会議を開き、2014年から2020年の中期予算を討議したが、決定に至らなかった。しかし首脳らは今回の会議を失敗と見なさず、2013年初めに再度首脳会議を開いて合意をはかることとした。

「決定に至るまで私たちはもう一ラウンド必要だ」と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は2日間の首脳会議を終えて語った。ヘルマン・ファンロンパイEU常任議長も、予算の合意は来年初めに得られる可能性があると述べた。「今後数週間かけて」妥協点を探る努力を続ける。「潜在的に合意の可能性は十分」あり、2013年初頭に合意が得られる見込みはある。それゆえ首脳会議の閉幕を「あまりドラマチックに騒ぎ立てる」べきではない、とファンロンパイ常任議長は語った。

EU各国の首脳も首脳会議が決裂したとの印象を払拭するのに努めた。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)は、私は協議に「満足して」いる。「私たちは合意が可能であるとの確信に至った」。しかしこれにはまだ「かなり時間がかかる」可能性があり、協議は今後も継続する。合言葉は「スピードよりも徹底性」である、と語った。

「まだ時間はある」とメルケル首相は付け加えた。フランスのフランソワ・オランド大統領も、首脳会議は「有益」で「予算展望合意に向けた模索の望ましい段階」であったと述べた。

加盟国首脳は7年間のEU予算計画について木曜日から協議を行っていた。欧州委員会の修正案はもはや1兆ユーロを上回る内容ではない。ヨーロッパ北部の国々が大半を占めるいわゆる実質負担国、すなわちドイツのように農業補助金などを通じて返ってくる金額以上にEUに拠出している国々は、この欧州委員会案を額が大きすぎるとして拒否している。

一方、とりわけ貧しい地域に対するEU補助金の恩恵を受けている南東欧の国々、ならびに欧州委員会と欧州議会は、予算削減に反対している。欧州委員会案から800億ユーロ削減したファンロンパイ常任議長案も、膠着した交渉の打開にはならなかった。

中でもイギリスは首脳会議で強硬姿勢を貫き、予算の大幅縮小を要求した。首脳会議前デーヴィッド・キャメロン首相は拒否権を行使すると警告し、他の加盟国首脳の不興を買った。

しかしキャメロン首相は大幅削減を求めたイギリスが孤立したとの印象を否定した。イギリスは「孤独な立場」ではなく、「ドイツ、スウェーデン、オランダ、フィンランド、デンマーク」と同じ路線であったと主張した。オランド大統領は、ドイツはイギリスを「孤立させ」たくなかったのだと述べた。

首脳会議はすでに木曜日の晩の段階で決裂の気配があった。メルケル首相もオランド大統領も、驚くほど早く初回の協議が延期された後、首脳会議の合意は見込めないと述べていた。イギリスの外交担当者は首脳会議の準備が不十分であったとしてファンロンパイ常任議長を非難した。

原題:Sondergipfel zum mehrjaehrigen EU-Haushalt gescheitert
Staats- und Regierungschefs gelingt keine Einigung




ホームへ戻る