2014年11月15日(土)

英国は移民問題でドイツに圧力

ハモンド外相:「ドイツの拒否は英国のEU脱退につながる」

AFP

英国のフィリップ・ハモンド外相は、もし英国民が国民投票でEU脱退を決めることになれば、その責任はドイツが負うことになるかもしれないと述べた。ハモンド外相のこの週末の発言はシュピーゲル誌Spiegelの報道に対するもので、同誌はもし保守党政権がEU加盟国から英国に来る移民を厳しく制限するのならば、もはや英国のEU残留のために肩入れするつもりはないとのドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)の発言を報じていた。

「私はドイツの外相に率直に言おう。もし彼らがこのように一線を引くなら、私たちは国民投票で英国民を説得することはしないつもりだと」。しかしもしドイツ政府が移民問題で譲歩するなら、国民投票もうまく行く可能性がある、とハモンド外相はデイリー・テレグラフ紙に語った。

英国のデイヴィッド・キャメロン首相は、根本的なEU改革の提案に対しほとんど支持が得られず、とりわけEUから加盟国への権限返還が実現しないため、この問題を持ち出していた。

保守党の党首を務めるキャメロン首相は、EU加盟国からの英国へ入る移民数に上限数を設ける意向を示唆していた。ハモンド外相は移民数割当の導入についてはテレグラフ紙で否定したものの、英国政府は「同じ結果をもたらす仕組み」を考えていると明らかにした。そしてもしEUが英国の提案を検討しないのであれば、英国政府は「席を立って出て行く覚悟」があると述べた。交渉の中断は避けられないだろう、なぜなら英国民はこの問題について最終的に国民投票で決定するのだから、と外相は語った。

英国政府の口調が厳しさを増す背景には、来年春に議会選挙を控えているという事情がある。キャメロン首相の保守党はEU懐疑勢力の強い圧力を受けている。5月に行われた欧州議会選挙では反EUの英国独立党(Ukip)が第一党となった。来年春の議会選挙で再選されたならば、2017年に英国のEU残留を問う国民投票を実施すると国民に約束した背景には、自らの地位の強化という目的がある。

英国政府は移民問題のほか、EUの要求する21億ユーロの拠出金追加支払いの問題でもEUとの間で争いを続けている。キャメロン首相は10月末のEU首脳会議で、期限の12月1日までの支払いを拒否して大立ち回りを演じた。この間、英国には来年9月までの支払い期限の延期が認められたが、延長期間の利子を支払わねばならず、これに対して英国はまた拒絶姿勢を取っている。

原題:London setzt Berlin beim Thema Zuwanderung unter Druck
Hammond: Deutsches Nein koennte zu EU-Austritt fuehren




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