2014年11月29日(土)

モルドバの首相は明確なEU加盟展望を要求

独外相は議会選挙を前に「外部からの影響」に警鐘

AFP

日曜日の議会選挙を前に、モルドバのイウリエ・レアンカ首相は早期EU加盟の展望を求めた。欧州連合との「隣国関係」だけでは長期的には不十分である、とレアンカ首相はビルト紙Bildに語った。一方、ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党SPD)は、ルーマニアとウクライナに挟まれた小国モルドバの早期EU加盟について明確に否定した。

「私たちは選挙後にEU加盟の展望を得られるものと期待している。これがこの国の人々が望むものなのだ」。EUとの結びつきは「外からの侵犯に対する最良の防護となる」とレアンカ首相は同紙に語った。

しかしシュタインマイヤー外相は、EU加盟は「現時点ではまったく問題にならない」。「モルドバは欧州の最貧国の一つであり、大きな内政上の緊張と未解決の問題を抱えている国である」と述べ、有権者は今回、市場経済に向けて長く険しい改革の道のりを進む用意があるのか否かを選択するのだ、とビルト紙に語った。

あわせてシュタインマイヤー外相は「外からの反政府的な影響」に警鐘を鳴らした。外相はウクライナ危機を踏まえて、「私たちはモルドバがあのような危機に陥らぬよう、あらゆる手段を講じる必要がある」と述べた。

旧ソビエト連邦から独立したモルドバ共和国にはおよそ350万人が暮らしているが、そのうち約6パーセントはロシア系である。およそ50万人が暮らすトランスニストリア(沿ドニエストル)地域ではロシア系住民が60パーセントを占める。ロシア政府はこのウクライナに接する地域を数十年前から経済的、政治的に支援している。

EUとモルドバは今年6月に連合協定に調印した。これは政治的、経済的協力関係の強化をはかるものである。このような一連の連合協定は2009年に発足したEUの「東方パートナーシップ」の一環であるが、ロシア政府は近年ますます、この政策を同国の伝統的な勢力圏に対する脅威と捉えている。

原題:Moldaus Ministerpraesident fordert klare EU-Perspektive
Steinmeier warnt vor Wahl vor "Einflussnahme von aussen"




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