2000年11月9日(木)07:37

フェアホイゲン:「どの国もEU拡大で除外されず」

ベルリン(ロイター)

EU拡大委員ギュンター・フェアホイゲンは計画中の欧州連合(EU)の拡大プロセスを総じて順調と見ている。どの加盟希望国も「かやの外」に置かれることはないだろうとフェアホイゲンは水曜日の夜「ZDF(ドイツ第二放送)ナハトマガツィーン」で述べた。加盟の前提条件がさまざまな加盟候補国の間で異なることは拡大プロセス全体にとって何ら問題とはならない。それぞれの国を個別に判断することは加盟候補国の希望に沿うものである、とフェアホイゲンは語った。水曜日に欧州委員会は、2002年末に最初の国々が協議を完了し、しかるのち加盟できるようEU加盟候補国との加盟協議を加速する旨通告している。

フェアホイゲンは、加盟候補国ではあるもののトルコとは「EU加盟のための基本的な政治的条件」が満たされていないのでまだ協議は始められない。それゆえトルコの場合は準備が問題となる。トルコに対しては加盟協力関係の提案が行われた。その目標は、民主的および政治的変革の広範なプロセスに着手させ、これまで欧州の共同体が数十年前からトルコに求めていながらいまだ実現をみていないあらゆる条件を満たさせることにある。「もしトルコが私の提案に対し肯定的な回答をすれば、今日は歴史的な日となろう。トルコにとってもヨーロッパにとっても」と語った。

EUは東南ヨーロッパの同国に対したびたび民主主義の促進と人権の尊重を求めてきた。2001年の終わりまでにトルコは司法制度を改革し、拷問を廃止し、言論の自由をこれまで以上に認めるとしている。それに加えて引き続き死刑執行を停止し、キプロス紛争の解決に向けた国連の努力を支援することになっている。

ZDFの番組でフェアホイゲンはまた、EU拡大のプロセスをできるだけ市民に配慮して進めることを約束した。フェアホイゲンは、東欧・中欧の国々への共同体の拡大計画に対する人々の懸念をEUは真剣に受け止めねばならないと述べた。こうした懸念や不安はとりわけ職場などにおける競争の変化、犯罪の問題、環境問題、拡大にともなうコストなどに関連している。

欧州委員会は水曜日に戦略ペーパーを発表した。その中では、拡大のタイムスケジュールを実行に移すとなれば、二年半前に始められた加盟協議は二年後に完了できようと報告されている。欧州委員長ロマーノ・プローディは、これで12の加盟申請国のいずれもがすみやかに加盟の条件を満たす機会を得たことになると語った。しかしEUの外交筋は、最初の加盟は早くても2005年と予想されると強調した。

原題:Verheugen : Kein Land bleibt bei EU-Erweiterung draussen