2000年11月18日(土) 11:51

シュトイバー州首相 − 政府は東方拡大の問題で国民を無視している

ミュンヒェン(ロイター)

キリスト教社会同盟(CSU)党首エドゥムント・シュトイバーは、移民をめぐる論議同様欧州連合(EU)の東方拡大の問題でも市民の不安を無視しているとして、政府を非難した。東方拡大は大きなチャンスをもたらす一方、ドイツにとっては危険性もあるとバイエルン州の州首相を務めるシュトイバーは土曜日ミュンヒェンにおける同党の第65回党大会において語った。それゆえ多くの市民はこの問題に懐疑的である。社民党と緑の党の連立政権は欧州政策においてコンセプトを持たず、それゆえ東方拡大への不明確な財政支出についても口をつぐんでいる、とシュトイバーは述べた。「シュレーダー首相とフィッシャー外相は、東方拡大を成功へと導くために今後克服せねばならない困難な問題について議論するのを恐れているのだ。」

あわせてシュトイバーは政府に対しても、EUの東方拡大の困難な諸問題を回避したためユーロの価値減少に共同責任を負うとして批判を浴びせた。「こうしてユーロを引き続き地下まで下落させてしまうのだ。」年金政策や労働市場政策における後退は行わずもがなの施策である、とシュトイバーは非難した。

シュトイバー州首相は欧州統合の枠内で国民国家の権利が削減されることに対し、断固として反対する姿勢を示した。社会的摩擦は当分国民国家の枠内でしか解決されえないであろう。それゆえ欧州国家創設につながる提案はいかなるものであれ拒否する。しかし域内市場、難民・亡命者庇護政策ならびに犯罪の撲滅の問題は欧州の責務である、とシュトイバーは語った。12月初めのニース首脳会議については欧州内の権限分割に関し「実質的な進展」を求めた。「なぜなら明確な権限分割なしにはEUは拡大に備えることができないからである」とシュトイバーは理由づけた。

さらにシュトイバーはあらためてトルコのEU加盟に反対する意向を示した。確かにEUはトルコとの密接な協力関係を必要としているものの、同国を加盟候補国とするのは「重大な誤り」である、と語った。

原題:Stoiber - Regierung ignoriert Bevoelkerung bei Osterweiterung