2000年11月25日(土) 13:40

ポーランドのクファシニェフスキ大統領がEUを批判


批判の理由は拡大への準備不足 − 『フォーカス』誌によればポーランド政府のEU加盟準備状況に関する報告書は潤色されたという

ハンブルク / ミュンヒェン(AP)

ポーランドのアレクサンダー・クファシニェフスキ大統領は、もはや同国が2003年に欧州連合に加盟できるとは考えていない。『ヴェルト日曜版』紙において同大統領は、計画中の拡大への準備が整っていないとしてEUを厳しく非難した。それに対しポーランドは準備万端であると大統領は述べた。一方ミュンヒェンのニュース雑誌『フォーカス』は、欧州連合がポーランドの加盟候補国としての準備状況に関する報告書を潤色したと伝えた。スポークスマンのペール・ホイゴール Per Haugaard が述べるところによれば、ブリュッセルの欧州委員会はこの件についてコメントする意向はないという。

クファシニェフスキ大統領は、EUの各国首脳には閣僚理事会の多数決決定の問題で合意を形成する能力がないと述べた。目前に迫ったニースのEU首脳会議に何を期待するかとの質問に対して大統領は、「期待はしぼむばかり」。しかし一方でポーランドは完全に「EU法を国内法に移し換える準備を整えた」。ポーランド政府は宿題を片付けたのだ、と答えた。大統領は長期的にはウクライナなどの国々を欧州連合に迎え入れることに賛意を表した。

『フォーカス』は、欧州委員ギュンター・フェアホイゲンの協力者である高官の内密の書類メモを情報源として挙げている。ポーランドが厄介息子から希望の星に昇格したのは「政治的に編集された」最終版の助けによるものであると『フォーカス』誌は書類を引用している。「行政機関、構造変化、EU法の国内への転換、および汚職の撲滅運動という事項においてポーランドの抱える重大な問題は、結論部ではフェアホイゲンの干渉を受けて瑣末視されることになった」と同誌は続ける。ポーランドがハンガリーの倍の失業率と国際収支の赤字を抱えている事実は「意図的に抹消された」と同誌は伝えている。

原題:Polens Praesident Kwasniewski kritisiert EU
Wegen mangelnder Vorbereitung auf Erweiterung - Bericht ueber Reife Warschaus fuer EU-Beitriitt laut Focus geschoent