2001年10月11日(木)11:48

フィッシャー外相:「新たな状況の中で欧州統合を加速すべき」

ベルリン(ロイター)

ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)は、テロ事件後変化した世界秩序における欧州の役割を確かなものにするため、一層速やかな統合を求めた。「テロリズムに対する闘いはとりわけ、欧州統合の前進をも意味する。さもなければヨーロッパ人は新たな世界秩序の中で周辺的地位に追いやられることになる」とフィッシャー外相は木曜日、連邦議会において述べた。9月11日のテロ攻撃と、テロリズム撲滅のための国際的な対応は「国際秩序の座標軸の根本的移動をもたらす」。ヨーロッパ人はこの新たな秩序の中で国民国家として振る舞ってはならない。この変化により欧州統合のための「時間は私たち皆が考えるほど残ってはいないのである」。

フィッシャー外相はドイツが欧州の統一から離脱することを戒めた。「ドイツは傍観的立場をとってはならない」。「もはや私たちは大国であり重要な役割を担っているのだ。」現在15ヶ国から成る欧州連合(EU)は、昨年末、2004年以降予測される最大で12ヶ国に及ぶ拡大の前提条件として機構改革を決定した。拡大した欧州連合が外交・安全保障政策においても行動を取れるよう、新規加盟国受け入れまでにさらなる改革が計画されている。

フィッシャー外相は、ドイツは歴史的責任から、テロの脅威に対するイスラエルの防衛問題で特別な役割を担わねばならない。イスラエルの破壊はイスラムのテロリズムの最も重要な目標の一つである。ドイツは、イスラエルが安全と平和のうちに存する権利を守る義務がある。同時にこの義務にはパレスチナ人の正当な自決権を擁護することも含まれる、とフィッシャー外相は述べ、中東和平交渉の継続を呼び掛けた。

世界情勢の変化により、外交、安全保障および途上国援助政策に対し新たな要請が求められている状況に鑑み、これまで広範に支持されてきた低税国を目指す基本方針を一から議論し直す必要がある、とフィッシャー外相は考えている。

原題:Fischer: Europaeische Integration in neuer Lage beschleunigen