2002年10月10日(木)15:38
ミュンヒェン(AP)
国際法の専門家による二つの鑑定を挙げて、バイエルン州はチェコのEU加盟に対してあらためて留保の姿勢を示した。同州のエトムント・シュトイバー州首相(キリスト教社会同盟)は木曜日、ベネシュ布告の固持は加盟の障害であると発言した。国際法に違反する放逐の際の殺人さえ免責されたままならば、法治国家に求められる要求は満たされていないことになる。欧州委員会と欧州議会はチェコ政府に譲歩を求めるべきである、と同州首相は主張した。
ボン大学の国際法学者ルードルフ・ドルツァーは、当時のチェコスロヴァキア大統領エドヴァルト・ベネシュが第二次大戦後に命じたズデーテンドイツ人の集団的放逐は明らかな国際法違反であったと述べた。テュービンゲン大学の欧州法学者マルティン・ネッテスハイムは、今日までベネシュ布告に固執することは、様々な民族の共生という考え方に真っ向から対立する姿勢を示すものである。これはEU内の統合にとって障害となる、と述べた。
シュトイバー州首相はEUおよびゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)に宛てて書簡を送り、放逐は欧州の価値体系と相容れない。それゆえそのような内容を伴う法律はEU内で存続してはならない、と訴えた。