2002年10月25日(金)00:50

EUは農業予算に関する独仏の合意に同調

ブリュッセル(AP)

EU各国首脳は2006年以降のEU農業予算の抑制で基本的に合意し、EU拡大の最後の障害を取り除いた。木曜日の晩、各国首脳はこの問題に関する独仏提案に大筋で同調した。この提案は12月のコペンハーゲン首脳会議までに候補国との加盟交渉を完了させることを可能とするものである。詳細については今後なお調整が必要であるという。

EU議長を務めるデンマークのアンデルス・フォグ・ラスムッセン首相は、ブリュッセルでの各国首脳の晩餐会を終えて、拡大交渉の最終局面に向けて「真の打開」がはかられた。「私たちは妥協の基盤を見出したのだ」と語った。

ラスムッセン首相は、農業予算を2006年以降凍結するとの独仏提案を出席者全員が歓迎した。しかしすべての詳細について全員の承諾を得ない限り、何も合意されたわけではない、と述べた。金曜日の朝、議長は合意文案を提案する意向である。

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相とフランスのジャック・シラク大統領は首脳会議の開幕に際し、農業支出に関する対立関係で予想外の事態打開に成功した。合意によればEU加盟候補国に対しては2004年の加盟時には現加盟国が受給している直接補助金の一部しか支給されない。受給比率はその後2013年まで段階的に引き上げられる。

EU予算のほぼ半分を締める農業予算は2006年以降凍結される。その後は同じ補助金総額を15ヶ国ではなく25ヶ国に配分することになる。シュレーダー首相は「2006年まで農業政策に何ら変更はない」と言明した。

ラスムッセン議長によれば構造補助金も再検討されることになるという。議長によればEU各国首相は、加盟候補国の予算状況が加盟後に以前より悪化してはならないという原則についても議論したという。この原則はどの新規加盟国も加盟後ただちに実質負担国になることはないということを意味している。

EU各国が予算問題で共同見解に至れば、ただちに欧州委員会は10ヶ国との加盟交渉を継続できる。ラスムッセン議長は、範囲は狭いものの交渉の余地はあると強調し、候補国は提示された条件をそのまま受け入れる必要はない、と述べた。

EU各国外相はモスクワの人質監禁事件をきわめて厳しい言葉で非難した。デンマークのペール・スディー・メラー外相は、人質監禁はどんな理由でも正当化されない。EUは人質の即時解放を求める、と要求した。EU首脳は金曜日に声明を決議する意向である。

またEU各国外相は、国際テロは開発援助と貿易条件の改善を通して撲滅されるべきであるとの意見で一致した。メラー外相は、テロリストの残存地域とならぬよう、脆弱な政府と脆弱な民主主義に対しては支援が必要である、と述べた。

原題:EU schliesst sich deutsch-franzoesischem Vorstoss an Erste Zusammenfassung




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