2004年10月6日(水)17:45

欧州委員会のトルコ加盟交渉開始勧告に疑念と賛同の声

ハノイ(AP)

欧州委員会がトルコとのEU加盟交渉の開始を勧告したことは、国際的には肯定的反応が大勢を占めたが、一部には疑念の声も上がった。加盟協議の進行に厳しい条件をつけたことは歓迎された。加盟交渉開始の最終決定は、12月17日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議の席で各国首脳の決定に委ねられる。

トルコのEU加盟を拒否するフランスのローラン・ファビウス元外相は、EUはトルコをパートナーにすべきであって正式加盟国にすべきではない。トルコはヨーロッパに含まれないのだ。トルコとの加盟交渉はフランスのジャック・シラク大統領の見解では10年から15年かかる可能性があるという。加盟プロセスはまだ緒についたばかりだ、と水曜日ハノイで語った。

オーストリア出身のフランツ・フィシュラーEU農業担当委員は、トルコの加盟に対する厳しい条件を歓迎した。私自身は、トルコのEU加盟がトルコと現EUにどのような影響を及ぼすか、またどれほどのコストがかかるかを加盟交渉の最中にも絶えず検証するよう主張した、とフィシュラー委員はドイツ第二テレビ(ZDF)の「今日のヨーロッパ」heute in Europaで語った。トルコ加盟を問う国民投票をオーストリアで実施する可能性についてはフィシュラー委員は発言を控えた。

スウェーデンのライラ・フレイヴァルス外相は、私はちょうどトルコの南東部を訪問中にこのニュースを聞いた。女性団体の集会に参加していた女性たちは歓声を上げた、と外相はAP通信に語った。だがトルコの加盟はまだ前途遥遠であると外相は制約をつけた。

リトアニアのアルティス・パブリクス外相は、トルコの加盟はEUの国際的役割を強化することになろう。加盟交渉開始に際しての用心は理解できる。トルコには異なる文化的背景があるのだから、と語った。スペインのミゲル・アンヘル・モラティノス外相は火曜日の晩、トルコをEU内に入れることはEU外に置くよりも良いと述べた。

伝統的にトルコのライバルとなるギリシャは欧州委員会の勧告を歓迎した。EUの中のトルコはトルコ国民の利益に適うだけでなく、地域全体の安定、安全、繁栄にも役立つ、とテオドロス・ロッソプーロス政府広報官は語った。ギリシャは1999年にトルコのEU加盟に対する異議を取り下げている。ギリシャ政府はトルコがEUに加盟すれば、キプロス紛争やエーゲ海の国境問題をめぐる緊張関係の緩和につながると期待している。

原題:Skepsis und Zustimmung nach Bruessels Tuerkei-Entscheidung




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