2004年10月15日(金)16:09

メルケルCDU党首はトルコEU加盟反対署名を断念

ベルリン(AP)

キリスト教民主同盟(CDU)は党内からの強い批判も受けて、トルコのEU加盟に反対する署名活動を断念した。連邦議会のキリスト教民主同盟議員団のフォルカー・カウダー議会総務は、金曜日ドイツ第二放送(ZDF)の番組「モルゲンマガツィーン」で、署名活動の計画を取りやめたことを認めた。これはアンゲラ・メルケル党首が、社会一般のさまざまな議論に耳を傾け、またこの活動が誤解される危険を考えて決断したものだ、とカウダー議会総務は語った。

これで「この活動が中止され、もはや議論に上らないこと」が明確になった。この問題はもうこれ以上扱わないので「沈静化する」、とカウダー議会総務は付け加えた。「私たちには目下別のテーマを抱えているのだ。」

これより前『ビルト』紙は、メルケル党首が署名活動の計画を中止したと報じた。その理由として同党首は、このような活動が誤解される恐れがあるとの危惧がさまざまの筋から伝えられたことを挙げたという。だがそのような誤解は排除しなくてはならないと述べ、「それゆえこのテーマは私にとってはもうおしまい」と述べた。当初メルケル党首はキリスト教社会同盟(CSU)の提案した署名活動に対し、支持をほのめかしていた。しかしキリスト教民主同盟(CDU)内では反対の声が高まっていた。

署名活動の断念にもかかわらず、ドイツのトルコ協会は2006年の連邦議会選挙でCDU/CSUに対するボイコットの可能性を表明している。トルコに対するCDU/CSU全体の姿勢が変わらなければ、そのような手段も考えざるをえない、と同協会のハッキ・ケスキン会長は語った。ドイツにはおよそ260万のトルコ系住民が暮らしており、2006年には有権者は100万人に達すると伝えられている。

ドイツ外務省のヴァルター・リントナー広報官は、もしキリスト教民主同盟が本当に署名活動を断念したなら、ヨシュカ・フィッシャー外相は「外交に関する理性の回復として大歓迎する」だろう、と語った。緑の党のクリスタ・ザーガー議員団長は、このような署名活動は国内の分極化と外交政策の損失を招くだけだと批判した。

ドイツ第二放送(ZDF)の最新の世論調査によれば、ドイツ国民は何年か後にトルコをEUに受け入れるべきか、意見が分かれている。賛成は45パーセント、反対は48パーセントである。一方、トルコ加盟反対の署名活動に対しては強い拒絶を示し、支持はわずか27パーセントで、69パーセントは反対であった。CDU/CSUの支持層でも64パーセントが反対している。

バイエルン州社会民主党(SPD)のフランツ・マーゲット議員団長はトルコのEU早期加盟に警鐘を鳴らした。「慎重な言葉を使えば、私はトルコのEU加盟が利益のみをもたらすのか疑問に思っている」と『ミュンヒナー・メルクーア』Muenchner Merkur紙(土曜版)に語った。

バイエルン州のエーバーハルト・ジンナーEU担当相(CSU)は、トルコ各地を歴訪し、正式加盟の代わりに「特権的パートナーシップ」というCDU/CSU案を提示したが、拒絶にあった。ゲルハルト・シュレーダー首相の姿勢の方がトルコでは受け入れられている、とジンナーEU担当相はアシャッフェンブルクの『マイン−エヒョー』Main-Echo紙に語った。

原題:Merkel verzichtet auf Unterschriftenaktion




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