2005年10月1日(土)15:42

トルコはあくまで10月3日のEU加盟交渉開始を主張

ルクセンブルク/イスタンブール(AP)

トルコのアブドラ・ギュル外相は欧州連合に対して、約束を守り、トルコ政府と来週加盟交渉を開始するよう求めた。トルコ政府は新たな条件を受け容れるつもりはないとギュル外相は土曜日イスタンブールで語った。EU各国外相は(明日)日曜日に緊急会合を開き、加盟交渉開始の道筋をつける意向である。EUのハヴィエル・ソラーナ外交上級代表は合意が得られるとの確信を表明した。

「もし欧州連合が約束を守らないとの決定を下し、決してトルコが受け容れられないような新たな条件をEUの指導層が課すのであれば、EUとのパートナーシップはありえない」とトルコの外相は続けた。トルコとの加盟交渉の大枠に関する提案はEU加盟国の全会一致を必要とするが、オーストリアがこれに反対し、合意を阻んでいる。

外交官筋によれば、オーストリア政府は「交渉の共同の目標は加盟である」との一文を提案からそのまま削除するよう求めており、むしろ交渉の大枠では交渉の結果トルコが加盟を果たせなかった場合の明確な代案を記すべきであるとしている。これはトルコが加盟条件を満たせない場合、もしくはEUがトルコを受け容れる能力がない場合のケースである、とオーストリア政府は主張している。

交渉枠の原案は基本的に2004年12月のEU首脳会議の決定を踏まえたもので、他の24ヶ国は原案の変更を拒んでいる。この中では、加盟交渉は結果を約束せずに行われるが、目標はトルコの加盟であるとされている。外交官によれば、オーストリアは昨年12月以来EUをとりまく状況が若干変わってきたことを根拠にしているという。たとえばEU憲法に対するフランスおよびオランダ両国民の否決はトルコ加盟に対する懸念に起因する、と主張している。

しかしながらソラーナEU外交上級代表は合意が得られるものと考えている。「トルコに関する決定はこれまで常に最後の最後の瞬間に決定が行われている」。加盟交渉はトルコのEU加盟をあらかじめ決めるものではない。交渉は結果を約束せずに進められるのだ、と同代表は『ビルト日曜版』Bild am Sonntagで強調した。EUのハンスイェルク・クレッチュマー駐トルコ大使は『ドイチュラントラーディオ クルトゥーア』Deutschlandradio Kulturで、オーストリアの阻止があってもトルコとの交渉はきっかり月曜日に開始されると表明し、この「歴史的機会」を逃すことにはならないだろうと語った。

日曜日の晩にEU各国外相の間で合意がまとまらなければ、加盟交渉を当初の予定どおり月曜日の午後ルクセンブルクで開始することはできない。これに関してもう一つの要因となるのが、クロアチアとのEU加盟交渉をいつ開始するかという問題である。クロアチアは旧ユーゴの戦争犯罪を裁くハーグ国際戦犯法廷に対して全面的な協力を行っていないため、交渉開始は目下凍結されている。

クロアチアの進展に関してもEU各国外相は同様に月曜日に協議を行う意向である。会合には国連のカルラ・デルポンテ主任検察官とクロアチアのイーヴォ・サナーデル首相も出席の予定である。

原題:Tuerkei besteht auf Beginn der EU-Beitrittsverhandlungen am Montag




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