2005年10月3日(月)12:17

トルコとのEU加盟交渉開始は破局寸前

ルクセンブルク/アンカラ(AP)

トルコとのEU加盟交渉の開始は破局の瀬戸際である。月曜日ルクセンブルクで開かれたEU外相会合では、オーストリアが加盟交渉の大枠をめぐる合意形成の努力に水をさした。オーストリアのウルズラ・プラスニック外相は依然、原案の大幅な改訂を求めている。トルコ政府はアンカラで、EUの新たな条件を受け容れる用意がないと言明した。

当初加盟交渉は月曜日(10月3日)の午後ルクセンブルクでEU各国外相とトルコのアブドラ・ギュル外相との間で正式に開始される予定であった。トルコ外務省のナミク・タン広報官はアンカラで、「EUは交渉枠の文書に関していくつか変更を提案した。我が国の外相はこれをすべて拒否した」と述べた。

依然強硬なオーストリアの姿勢のため、EU議長を務めるジャック・ストロー英外相はEU外相緊急会合の席で「難しい局面」を迎えていると語った。ストロー外相はプラスニック外相との再度の会談を終え、トルコとの加盟交渉が午後に開始できる保証は「まったくない」。「交渉は厳しく困難である」、と述べた。

私は常にギュル外相と連絡を取っている、とストロー議長は続けた。加盟交渉の開始には、EU加盟国の全会一致の決定が条件となる。ストロー議長は一晩中プラスニック外相と交渉したものの、さしたる譲歩は得られなかった。

プラスニック外相自身は「ごくわずかの」進展に留まったと評した。しかし最後の瞬間に合意に至るという「望みを捨てたわけではない」。「私たちは歩み寄りが必要だ」、と外相は語った。

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は、「この件では合意に近いものができている。あとは政治的意思が必要なだけだ」。トルコの外相を迎えるべく、「人智の限りを尽くす」必要がある、と述べた。

EU各国首脳は昨年12月の首脳会議で、トルコとの加盟交渉を10月3日に開始することを決定した。交渉の目標は加盟であるが、交渉は結果を約束せずに行われる、と定められた。加盟交渉の大枠に関する文言は大筋でこの決定に添っている。

しかしオーストリアは、加盟交渉が決裂した場合、トルコのEU正式加盟に代わる明確な代案を記すべきと主張している。加えてトルコの加盟はトルコがすべての条件を満たすのみならず、EUがトルコの加盟を受け容れる状況にあることが必要としている。

外交官筋によれば、キプロスも月曜日に新たに留保を表明したという。議論の焦点は、加盟交渉の最中もEUの決定に添って国際機関で行動するようトルコに求める交渉枠の文言であるという。とりわけNATOにおける行動が問題となる。トルコはとりわけキプロス問題を理由に、NATOとEU間の協力に対し依然否定的態度を取っている。トルコ政府は分断された島の南半分のキプロス共和国のNATO加盟を拒否している。

ルクセンブルクのジャン・アッセルボルン外相は、交渉が開始されなければEUにとって損害は極めて大きいと警告した。「EUの信用という点で合意は重要である」と外相は述べた。

原題:Aufnahme von EU-Beitrittsverhandlungen mit Tuerkei vor dem Aus




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