2005年10月3日(月)22:31

EUとトルコは加盟交渉開始で合意

ルクセンブルク/アンカラ(AP)

ほぼ30時間に及ぶマラソン協議の末、EU加盟国とトルコは最後の瞬間に加盟交渉の開始で合意した。トルコ政府は月曜日の晩、EU25ヶ国が取り決めた加盟交渉枠を受けいれた。オーストリアが折れたため、EUは合意に漕ぎ着けることができた。EU議長のジャック・ストロー英外相は「EUと国際社会にとって真に歴史的な一日」と語った。

トルコのアブドラ・ギュル外相は、EU各国外相と加盟交渉開始式を行うため、この日の晩のうちにルクセンブルクに向かった。ギュル外相のルクセンブルク到着は真夜中ごろと予測される。トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相はアンカラで、健全な理性が勝利を収めたと述べ、トルコのEU加盟に向けた40年間の歴史における重要な一里塚であるとその意義を称えた。

ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は交渉開始の決定について「歴史的一歩」と評価した。外相は最後の出席となるEU外相会合で、「EUは今日勝利を収めた」と強調した。加盟交渉の開始は双方にとって「大きなチャンス」を意味する。とりわけEUにとっては21世紀の安全保障につながる。加盟交渉が成功裡に進むかは「将来が示すだろう」。私は交渉が10年、15年「あるいはそれ以上」かかるものと考えている、とフィッシャー外相は語った。

ストロー議長はトルコ政府の「政治家らしい態度」を評価した。EU加盟国が加盟交渉枠で合意を得られず、加盟交渉の開始が不可能になると思われた状況が長く続いた。トルコはあらかじめ、決定の延期は受け容れられないとの態度を示していた。

とりわけオーストリアが合意を長いこと阻止していた。加盟交渉の規定ではトルコの加盟が交渉の目標とされている。オーストリアは、正式加盟に代わる代案についても交渉の対象として明記するよう要求したが、これは認められなかった。しかしトルコ加盟の前提としてEUの受け容れ能力に一層の重きが置かれることになった。

オーストリアのウルズラ・プラスニック外相はこの結果を成功と評した。「私たちは粘り強く闘い、EUとその拡大にとって重要な進展をいくつか認めさせることができた。」あわせて外相はオーストリアがトルコのEU加盟を問う国民投票を実施すると表明した。

EU各国首脳は昨年12月の首脳会議で、トルコとの加盟交渉を10月3日に開始することを決定している。外交官筋によれば、キプロスも月曜日に加盟交渉の開始に対して新たに留保をつけたという。問題となったのは、トルコに対し加盟交渉の最中もEUの決定に添って国際機関で行動するよう求める一文である。しかし最終的に加盟交渉枠の文言に変更は加えられなかった。

EU外相会合の枠外でカルラ・デルポンテ国連主任検察官は、クロアチアが旧ユーゴの戦争犯罪を裁くハーグ国際戦犯法廷と全面的に協力し始めたことを発表した。同法廷への全面的協力はEUがクロアチアとのEU加盟交渉開始の前提条件としている。オーストリアは以前からクロアチア政府を支援している。しかしトルコ加盟問題との直接の結びつきについては常に否定していた。

原題:EU und Tuerkei nehmen Beitrittsverhandlungen auf Elfte




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