2005年10月12日(水)19:52

シュレーダー首相はトルコに対し引き続き支援を約束

イスタンブール(AP)

キリスト教民主同盟・社会同盟の抵抗にもかかわらず、ゲルハルト・シュレーダー首相はあらためてトルコのEU加盟を明確に支持した。「私たちの未来は共同の形しかありえない。強いトルコの加わった強い欧州連合である」。トルコははっきりとEUへの道を選んだのだ。「ドイツはトルコの努力を引き続き全力で支援する」、と首相は水曜日イスタンブールで語った。

シュレーダー首相はトルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相に迎えられ、伝統的なラマダン中断式にあわせて政治協議を行った。正餐にはおよそ2000人の客が出席し、シュレーダー首相を大きな拍手で歓迎した。シュレーダー首相はトルコ政府のEU加盟希望を常に支援してきた。先週初めには粘り強い協議の末、トルコ、EU双方の外相が正式にEU加盟交渉を開始している。

シュレーダー首相は加盟交渉開始の決定を当事者すべてにとって大きな成功と評した。これにより「歴史的チャンス」をつかんだ。「私たちは先週双方の関係に新たな一章を開いた」。「この一章を完結すれば、トルコおよび欧州連合ではなく、欧州連合の中のトルコということになる」、と首相は語った。

シュレーダー首相はトルコ政府に対して、改革路線を一貫して継続するよう求めた。しかしEUもさらなる加盟国の受け入れができるよう準備を整えねばならない、と首相は述べた。

トルコのEU加盟はアラブ・イスラム世界の今後の発展に影響を及ぼすだろう、とシュレーダー首相は強調した。「西欧民主主義と啓蒙イスラムの価値を統合したトルコは、東洋と西洋の重要な連結役になることができる」。テロとの闘いに勝利するためには、密接な国際協力と行動能力のある強いEUが欠かせない、と首相は述べた。

エルドアン首相は「尊敬する友人」シュレーダー首相のトルコEU加盟に対する支援を高く評価した。「トルコは厳しい時期に支援してくれた友人たちを決して忘れない」。シュレーダー首相はEU加盟交渉開始のプロセスを「最後の瞬間まで」支援してくれた。ドイツ政府はトルコのEU加盟に向けて「きわめて大きな重要性」を持つ、とエルドアン首相は語った。首相は加盟交渉がトルコの正式加盟という形で完了するという確信を表明した。「これはトルコやEUのみならず、全世界にとって重要である。」

一方、キリスト教民主同盟(CDU)は退任を控えたシュレーダー首相に対し、外交政策でアンゲラ・メルケル次期首相と調整をはかるよう求めた。キリスト教民主同盟はトルコのEU加盟に反対しており、代案として「特権的パートナーシップ」を主張している。メルケル党首はすでに選挙前、この方向で加盟交渉を開始させたい旨を表明していた。

キリスト教民主同盟のマティーアス・ヴィスマンEU政策担当はシュレーダー首相の独断専行を戒めた。退任を控えた首相は外交・EU政策で密接に調整をはかる必要がある、とヴィスマンEU政策担当は『ベルリーナー・ツァイトゥング』紙Berliner Zeitungに語った。これは10月末のEU首脳会議にも当てはまる。「シュレーダー首相が首脳会議に出席する場合は、後任の首相と調整する必要があるということをわきまえてもらいたい」。これは「選挙の結果に対する民主主義の敬意」である、と同担当は警告した。同担当は首相のトルコ訪問で何ら決定が行われないものと予測した。「これはシュレーダー首相の退任訪問であり、新たな政策決定は行われない」と連邦議会のEU委員会の委員長を務めるヴィスマンEU政策担当は語った。

シュレーダー首相は木曜日にドイツに戻る。金曜日には次の外国訪問が控えている。首相はパリでフランスのジャック・シラク大統領と会談する予定である。会談ではEU首脳会議の準備もテーマとなる。

原題:Schroeder sagt Tuerkei weitere Unterstuetzung zu




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