2005年10月25日(火)15:28

ルーマニアとブルガリアのEU加盟は危うい状況

ストラスブール/ブリュッセル(AP)

2007年1月1日に予定されているブルガリアとルーマニアの欧州連合加盟は危うい状況にある。欧州委員会は火曜日に報告書を発表し、両国の期日どおりの加盟は、両国政府が必要な改革を加速して実行した場合にのみ可能であると警告した。

欧州委員会はいくつかの政治分野に関しては深刻な懸念すら表明した。「ブルガリアとルーマニアが直ちに実行に移らねば、2007年1月1日までにこれらの分野の改革義務を果たす見込みは薄い」と欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は記している。

欧州委員会は来年の4月か5月に、ブルガリアとルーマニアが2007年1月1日に加盟できるか、それとも両国の加盟を1年延期するか、最終的な勧告を発表する意向である。レーン拡大委員は両国が「注目すべき前進」を示していることは認めた。両国は加盟のための政治的基準を基本的に満たした。しかしさらなる努力が必要である、と委員は述べた。欧州委員会は、とりわけ汚職および組織犯罪の撲滅でまだ改革の必要があると考えている。

人権の遵守でも問題があるとレーン拡大委員は指摘した。委員はブルガリアの知的障害者ならびに少数民族のシンティ・ロマに対する対応を問題視した。欧州委員会の判断では、ルーマニアも身体障害者および知的障害者に対し不公平な扱いが行われている。加えて両国は農業と家畜の健康ならびに環境保護に関するEUの要求を実行に移していないと指摘された。今問われているのは問題を解決すべき現場の監督庁の責任である。「全精力を今この目標のために注ぐ必要がある」、と報告書は勧告している。

ルーマニアとブルガリアは今年4月25日に、2007年1月1日のEU加盟に向けた条約に調印した。しかしこの条約には加盟の1年延期の可能性を定めた保護約款が含まれている。ルーマニアの場合はEU加盟国の三分の二の賛成があれば加盟を延期できる。ブルガリアの加盟延期には全会一致の決定が必要となる。また加盟条約は加盟全25ヶ国の批准が必要となる。

ブルガリアは長い間、EU加盟に向けた準備でルーマニアに先行していた。しかし6月の議会選挙の後、組閣までほぼ2ヶ月を要したために、改革を実行する貴重な時間を失うことになった。EUは引き続き両国に対し、問題解決のためにいわゆる加盟支援金を支給している。2006年はブルガリアに5億4500万ユーロ、ルーマニアに11億5500万ユーロが支給される。

原題:EU-Beitritt Rumaeniens und Bulgariens in Gefahr




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