2006年10月8日(日)16:38

ヘッセン州首相もトルコのEU加盟に警告

ハンブルク(AP)

トルコのEU加盟をめぐる議論で日曜日、大連立政権を構成する政党の議員が懐疑的な意見を表明した。ヘッセン州のローラント・コッホ首相(キリスト教民主同盟)はトルコのEU正式加盟を依然拒否している。また社会民主党議員団のアクセル・シェーファーEU政策広報官もトルコ政府との加盟交渉が危機的局面にあることを認めた。

シェーファーEU政策広報官は、ベルリンの『ターゲスシュピーゲル』紙とのインタビューで、トルコの国内改革が遅々として進まない状況に不満を洩らした。広報官は、トルコが11月初めまでにEU加盟国キプロスからの貨物に対して自国の港や空港を開放しなければ、「きわめて困難な状況」が生まれる、と懸念を表明した。この件で欧州委員会は11月8日に加盟準備進展報告書を発表する予定であり、トルコが年内に港湾を開放しない場合はEU加盟交渉を中断すると警告している。

EUは一年前からトルコおよびクロアチアとの間で加盟交渉を行っている。クロアチアと対照的にトルコの場合には数多くの問題があるとシェーファーEU政策広報官は述べた。広報官は、トルコの加盟能力に疑念を表明した欧州議会社会民主党のマルティーン・シュルツ議員団長に賛意を示した。

シェーファーEU政策広報官はトルコ政府に対し、刑法301条を改正するよう求めた。この条項は、トルコ性、トルコ共和国、およびトルコの国家諸機構に対する侮辱を刑事罰として定めている。広報官は来週、社会民主党の連邦政府議員代表団の一員としてトルコとキプロスを訪問する予定であるが、一方でEUへの扉をトルコ政府に対して閉ざしてはならないと主張した。キリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首については、現時点でトルコのEU加盟の可能性を断定的に否定したとして非難した。

一方、ヘッセンのコッホ州首相は『ビルト』紙Bild(月曜版)のインタビューで、キリスト教民主同盟(CDU)の提案する「特権的パートナーシップ」案に支持を表明した。このようなトルコとの協力形態はドイツ国民の広範な支持を得られるだろう。この案はEUだけでなくトルコにとっても賢明だ、と支持の理由を述べた。しかしコッホ州首相は、アンゲラ・メルケル首相がトルコ政府との加盟交渉の継続を支持していることには理解を示した。首相として社会民主党と緑の党の前政権の約束を守らなくてはならないのだ。しかしCDU党首としては引き続き「特権的パートナーシップ」を主張しており、首相の姿勢が曲げられることはない、と州首相は語った。

原題:Auch Koch warnt vor Vollmitgliedschaft der Tuerkei




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